高山市議会 > 2016-06-10 >
06月10日-02号

  • "北陸自動車道"(/)
ツイート シェア
  1. 高山市議会 2016-06-10
    06月10日-02号


    取得元: 高山市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-26
    平成28年  6月 定例会(第3回)平成28年第3回高山市議会定例会会議録(第2号)========================◯議事日程 平成28年6月10日(金曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問      6番 山腰 恵一君     10番 中筬 博之君     12番 松山 篤夫君     22番 谷澤 政司君      9番 岩垣 和彦君     13番 上嶋希代子君  ================◯出席議員(24名)   1番          伊東寿充君   2番          谷村昭次君   3番          西田 稔君   4番          沼津光夫君   5番          榎 隆司君   6番          山腰恵一君   7番          渡辺甚一君   8番          北村征男君   9番          岩垣和彦君  10番          中筬博之君  11番          倉田博之君  12番          松山篤夫君  13番          上嶋希代子君  14番          車戸明良君  15番          松葉晴彦君  16番          木本新一君  17番          溝端甚一郎君  18番          水門義昭君  19番          橋本正彦君  20番          中田清介君  21番          藤江久子君  22番          谷澤政司君  23番          今井武男君  24番          牛丸尋幸君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長           國島芳明君  副市長          西倉良介君  危機管理室担当部長    北村泰気君  企画管理部長       西田純一君  財務部長         亀山裕康君  ブランド海外戦略部長   田中 明君  市民活動部長       高原 透君  福祉部長         下畑守生君  市民保健部長       矢嶋弘治君  環境政策部長       浦谷公平君  農政部長         橋本哲夫君  商工観光部長       清水孝司君  基盤整備部長       東 泰士君  水道部長         村田久之君  会計管理者        丸山永二君  荘川支所長        田中 裕君  教育長          中村健史君  教育委員会事務局長    井口智人君  消防長          赤野智睦君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長         森下 斉君  次長           橋本 宏君  書記           藤白 稔君  書記           奥原貴慶君  自動車運転職員      櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開会 ○議長(水門義昭君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(水門義昭君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、山腰恵一議員溝端甚一郎議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(水門義昭君) 日程第2 一般質問を行います。 質問の順序及び時間につきましては、議会運営委員会の決定に従って、それぞれ許可したいと思いますので、御了承願います。 それでは、山腰議員。   〔6番山腰恵一君登壇〕 ◆6番(山腰恵一君) おはようございます。 トップバッターを務めさせていただきます。いつものことながら緊張しております。よろしくお願いいたします。 それでは、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 まず初めに、熊本地震を踏まえた防災についてということです。 熊本地震から2か月がたとうとしております。この地震でお亡くなりになりました方々に心より哀悼の意をささげるとともに、被災されました皆様にお見舞いを申し上げます。一日も早く復旧復興が進み、安心して生活ができることをお祈りいたしております。 この熊本地震では、14日の夜の前震、16日未明の本震と震度7の巨大地震が2回発生、震源は活断層による内陸直下型の地震でございます。 今までに経験したことのない震度7が2回という想定外とされる事態であり、内閣府の発表におきましては、死者数49名、重軽傷者数1,684名、避難者数最大18万3,882名、家屋被害全壊が7,996棟、半壊が1万7,866棟、一部損壊が7万3,035棟と甚大な被害が発生をしました。 こうした熊本の地震の災害を思うとき、決して対岸の火事ではなく、地震はどこでも発生することを考えておかなくてはなりません。 本市におきましても、高山大原断層帯や跡津川断層帯、阿寺断層帯など、その他多くの断層帯が点在をしております。地震の発生の可能性も低くはありません。過去には、マグニチュード6から7の大地震も発生している歴史がございます。そうした中で、今回の熊本を教訓として、市では防災対策の見直しについてどのように考えておみえになるか、お伺いいたします。   〔6番山腰恵一君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) おはようございます。 私のほうからも、熊本地震によりお亡くなりになられた方の御冥福を祈るとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。あわせて、復旧復興に高山市といたしましても積極的に対応してまいります。 さて、本市におきましても、お話がありましたように、幾つかの活断層がございまして、熊本地震のような災害が発生する可能性はないとは言い切れません。その対応は常にしていくべきだろう、そう我々も誓っているところでありますが、地域防災計画におきましては、熊本地震の規模を上回る直下型地震も想定いたしまして、地震対策を定めているところでございます。 熊本地震において罹災証明の発行がおくれがちになったことや、ボランティアセンターの設置がおくれたり、あるいは避難所の衛生問題が浮上したりと、いろいろな課題が見えてきたことから、現在、市で調査の職員を派遣した結果とか、あるいは直接支援に行った職員の報告、あるいは熊本地震に関するあらゆる情報を全部収集して取りまとめておりましたり、また、県が開催をいたしました熊本地震に関する支援活動報告会、こういうような資料もございますので、それらの情報を取りまとめまして、本市の課題、あるいは必要な対策について、8月をめどに結果を取りまとめたいと、検証を進めております。 今後、その検証結果を踏まえまして、必要となる地域防災計画の見直しなどにつきまして、地震対策の充実を図る意味で、検討や修正等を実施してまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 8月をめどに検証や修正をしていくということでございました。今回の熊本地震におきましては、地震防災を考える上では、やはりリスクを減らすためのさまざまな対策も今後とられていくであろうかと思いますけれども、平常時からの市民の防災意識向上にさらに努めていただきたいと思っております。 また、今回の熊本地震では、多くの家屋の被害が発生をいたしました。その原因は、やはりこれまで余り地震の経験がなかった地域だけに、地震に対する市民の意識が薄く、建物の耐震化が進んでおらず、1981年以前の旧の耐震基準の建物が多かったことが挙げられております。 建物の耐震化は、命を守る上でも非常に重要であることは言うまでもありません。本市におきましても、耐震化65%とまだまだ進んでいない状況でございます。八次総合計画の中では、平成31年には80%の耐震化率の目標を掲げておりますけれども、さらなる耐震化を進めていただきたいと思っております。 想定を超える巨大地震が重なるといったこれまでになかった大災害であり、内陸直下型地震では被害が大きく、被災者の人数もまた多数発生しております。熊本地震では、避難先となっている指定避難所の学校校舎や屋内運動場等の71か所が建物の非構造部材の天井材、壁材、照明器具、窓ガラスが落下などで避難所として使用できなかったことが挙げられております。 被災者が唯一命を守るための避難所が使用できないとなれば、大勢の方に混乱が生じます。大変なことになったことと推測されます。 こうしたことを考えますと、大規模地震が発生した際、指定避難所における非構造部材、天井、壁材、照明器具、窓ガラスなどの安全性を心配される方もおられます。安全性の確保についてはどうされているのか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 平成23年の東日本大震災におきまして、体育館のつり天井が落下をして、避難所として使用できなくなったという事例があったことから、平成24年に小中学校の体育館や市の体育施設などについて、非構造部材の耐震調査を実施し、順次必要な改修を行っているところでございます。 今年度、2校の体育館の改修工事を予定いたしておりまして、これにより全ての小中学校の体育館につきまして、非構造部材の耐震性が確保できることとなります。その他の指定避難所につきましては、まだ全ての状況は把握しておりませんけれども、非構造部材の改修については、非常に多額のお金も要するということもございまして、そういった状況を確認した上で検討させていただきたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) これまで公共の建物自体は、耐震化は強く推し進めてまいりましたけれども、非構造部材の耐震化におきましては、どちらかと言えば、まだまだの感じがいたします。この機会にもう一度点検をしていただきまして、中でも、窓ガラスの飛散防止などは進んでいない状況だと考えております。ぜひとも進めていただきたいと思っております。 連続した夜間の大地震とたび重なる余震などで我が家も倒壊するのではないかという不安感でトラウマとなり、恐怖感で自宅へ戻れず、多くの住民の方が車中泊避難をせざるを得なくなりました。今後、大規模災害が発生した場合、車中泊避難が多くなる可能性もございます。そうした車中泊避難の対応、例えば小中高の学校のグラウンドや公共施設の駐車場、民間施設等の駐車場など、駐車場場所や台数の把握や、民間施設との協定など、さらに避難者の健康状態の把握、同じ姿勢が長く続きますと、エコノミークラス症候群になりやすく、命の危険にも及ぶことがございます。そうした予防対策など、こうした車中泊避難の対応をどう考えておられるのか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 地震が発生したような場合には、まずその場で自分の身の安全を確保していただいて、地域の皆様と協力しながら、避難所まで歩いて避難していただくということを基本といたしまして、防災訓練におきましても、その基本に沿った方法で避難していただく訓練を実施いたしております。 車による避難につきましては、渋滞の発生による緊急車両の進行の妨げ、あるいは避難所における駐車スペースがなくなるということによる支援物資の搬入や支援車両の駐車場の確保といったことに支障が生じるおそれがございます。 また、熊本地震において発生したエコノミークラス症候群などの健康被害も心配をされますことから、できる限り徒歩で避難していただき、また、避難所内で生活していただくよう、今後も防災訓練を始め、いろいろな機会を通じて市民の皆様にお願いしてまいりたいというふうに考えております。 しかしながら、現実、大規模な地震が発生したような場合に、車で避難生活される方もいらっしゃるということがございますので、それを1つの課題として、現在進めております検証を踏まえ、必要な対策を検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 今回の車中泊避難をされる原因としては、やはり余震が続き、屋内での恐怖感の部分で、寝れないとか、避難所はプライバシーが保たれないためストレスとなるとか、また、犬や猫のペットがいるから避難所へ入れないなどの理由として、車中泊をされる方が多くおられました。そうしたことも今後もありますので、先ほど言われましたけれども、一度考えていただきたいと思います。 避難所へは多くの被災者が殺到し、大変な状況でございました。その中、各避難所では、水や食料、毛布などの緊急支援物資が届かない状況がございました。その原因は、交通のインフラ網が道路の損傷や土砂崩れにより遮断されて通行ができなかった、また、迂回路では大渋滞が発生したことで遅延をいたしました。また、緊急支援物資の拠点収集施設の損傷により機能できなかったこと、さらには、収集拠点での人手不足、物資の仕分け作業におくれが生じたことで避難所へ物資が届かない状況もあったとあります。 そこで、本市では、指定避難所に災害時の緊急避難物資を備蓄しておりますが、大規模災害が発生した場合、物資が不足する事態が発生します。市では、ビッグアリーナ施設災害緊急物資の集積拠点としておりますけれども、大規模災害時の支援物資受入体制や各避難所への分配について、どうシミュレーションをしているのか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕
    危機管理室担当部長(北村泰気君) 大規模災害時の支援物資の受け入れや分配につきましては、岐阜県災害時広域受援計画に基づきまして、地域バランスや施設の耐震性などを考慮し、飛騨高山ビッグアリーナを始め12の施設の指定をいたしております。その中から、被災の状況、道路状況等を勘案し、その集積拠点を選定し、職員で組織をいたします食糧物資供給班が中心となって、防災関係機関の協力を得ながら、支援物資の受け入れと各避難所への分配を行うことといたしております。 熊本地震では、保管場所の不足、あるいは仕分けなどを行う職員が不足したために、物資の配分に時間がかかったというようなこともございますので、1つの課題として検証してまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 今回のような想定外の災害が発生した際の対応を平時のときから考えておいていただきたいと思っております。 次に、地震や風水害などの地震災害において、高齢者や障がい者が高い割合で犠牲になったことを踏まえ、そうした災害情報を十分得られなかったり、自分1人では移動ができない災害弱者の対応が重要であります。災害の被害を最小限に抑えるためにも、災害時の援護を必要とする要援護者の避難支援が不可欠であります。 国では、自力で避難できない方、避難支援が必要な方を対象に、平常時から災害発生に備え、要支援者名簿の作成を義務づけてきたところでございます。この要支援者名簿をもとに、平常時からあらかじめ避難の手助けをする人や、避難方法など具体的に決めておかなければなりません。 本市では、災害時要支援登録者の3分の1の600人から700人の方がまだ支援体制が確立されていないとのことでありますが、こうした支援体制を進めるに当たり、何が課題になっているのか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) 避難行動要支援者の名簿整備につきましては、平成25年度から把握を開始し、平成28年5月1日現在で2,099人が登録されています。そのうち、議員御指摘のとおり、災害時の支援者が決まっていない方は633人、約30%となっています。 内訳としましては、高山地域が1,314人のうち489人、約37%、支所地域が785人のうち144人、約18%となっているところでございます。 支援者の選出に当たっては、町内会や班といった単位で支援をする方と支援を必要とされる方の顔がお互いにわかるように、地域の組織を支援者とすることを基本としております。 支援者が決まっていない主な理由としましては、その地域に高齢者世帯が多いことや、地域人口の減少により支援できる方、組織でございますが、身近に存在しない、仕事などにより昼間には支援者がいないことが要因となっているところでございます。 こうした課題はありますが、避難行動要支援者の支援については、まずは町内会や班といった身近な地域の方に行っていただくことが有効でございますので、引き続き制度の理解を求めながら、協力が得られるよう取り組んでまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 今挙げていただきましたが、さまざまの地域で状況は違うことは承知をしております。そうした中で、どうそうした部分を解決していくのか、これが大変重要な部分でございます。地域の要支援者の支援体制については、まちづくり協議会を始め、民生委員、町内会、班、自主防災組織による連携とともに、身近な近隣住民との地域コミュニティーが最も重要でございます。やはり近隣住民の助け合いでございます。そうした中で、市としてこの部分をどう推進していくのか、御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 高原市民活動部長。   〔市民活動部長高原透君登壇〕 ◎市民活動部長(高原透君) 全てのまちづくり協議会では、今、議員おっしゃったとおり、町内会であるとか、自主防災組織、また消防団、見守り推進員、そして民生委員などと連携しまして、防犯防災、そして高齢者の見守りなどに取り組む部会がつくられております。 そういう中で、安全で安心なまちづくりを実現するための地域に合った体制づくりの検討が今進められているところでございます。特に災害が起きたときにつきましては、近所の方々による助け合いというものが最も重要なものとなっていますので、そういった観点から、地域コミュニティーの基礎であります町内会、特に安心安全の取り組みを担っていただいておるわけですけれども、そういった町内会の活動を維持強化することが必要だと思っております。そのため、まちづくり協議会と一緒になりまして、町内会の現状を把握し、支援や働きかけを行っていく必要があるものと考えております。 こうした認識のもと、昨年度は、市の危機管理室であるとか、福祉部、そして高山市社会福祉協議会の担当者が、まちづくり協議会の代表者が集まります円卓会議などに出向きまして、一緒に安全安心なまちづくりに向けた議論を行ってきたところでございます。 特に今年度は、自主防災組織と連携しながら、独自の防災訓練であるとか、防災講座、また、地域に合った防災体制などの仕組みづくりを計画しておられるまちづくり協議会もございます。市としましても、防災についてまちづくり協議会の防災担当の部会長などとの会議を開催しながら、各地区での体制づくりを促進することとしております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) いざとなったときは、身近な存在であります近隣住民との共助の助け合いが重要です。そのためには、日常生活の中で近隣とのコミュニティーをいかに結びつけていくかでございます。そのためにも、まちづくり協議会の各部会と町内会の連携により、地域活動を通して住民同士の交流にコミュニティーをつくっていただき、安心して住み続けるまちとして進んでいくことが重要であると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、要支援者の中には、災害時に一般の避難所では生活が難しい、例えば介護が必要な方や障がいを持つ方が避難生活できる福祉避難所が必要とされております。本市では、いまだに1施設しか指定がされておりません。福祉避難所をふやす考えはないのか、御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) 福祉避難所は、災害発生後に指定避難所に避難した後に、指定避難所では対応できない医療的行為や介護等の福祉的な行為の必要な方が一時的に避難するところでございまして、議員のお話のとおり、現在1か所、これは国府町三川の香蘭荘さんでございますが、の指定となっています。 福祉避難所は、複数の施設が必要だと認識しておりますが、指定に当たっては、1つとしまして、施設自体の安全性の確保、これは耐震性があること、土砂災害警戒区域外であること、浸水区域以外であること、それから、2つ目としまして、避難者の施設内での安全性の確保、これはバリアフリー化されていること、3つ目としまして、施設の継続した運営、これは専門的な支援が確保されているかというようなことでございます。こういったことが重要であると認識しております。 こうしたことから、昨年度、約100の事業所を対象に、福祉避難所として受け入れに関するアンケート調査を実施しまして、施設の災害に対する状況や実際に受け入れ可能かなどを確認するとともに、施設の広さやベッド数等の備品の状況、受け入れができない場合でも、医薬品や車両及び人的支援を提供できるか否かなどを確認しまして、現在その取りまとめを行ったところでございます。 その結果としまして、9つの事業所について受け入れが可能であることを確認したところでございます。 あわせて、福祉避難所での支援が必要と想定される方の把握を進めておりまして、福祉避難所としての指定の条件や必要数を定め、受け入れが可能であると答えられた事業所と協議を行いまして、整った上で福祉避難所の指定を行ってまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 災害が発生した場合、災害弱者は行き場を失います。施設側の受入体制など課題も多くございます。災害は待ってくれません。いつ発生するかわかりません。 これまで福祉施設の福祉避難所については、他の議員の方、また、私も2年前にこの福祉施設の指定を質問させていただきました。なかなかこれまで対応が進んでいない状況であったと考えております。今、9つの事業所と話をしてみえるということでありますが、ぜひともこの福祉避難所、早く指定していただくように取り組んでいただきたいと考えます。 次に、近年の災害が多様化する中において、地域の防災力をいかに高めるかが課題でございます。地域防災を考える上で、自分たちの地域は自分たちで守る、そのためには町内会の自主防災組織が鍵となります。そのため、平常時から防災に関する知識や技能の修得を図る上では、消防関係者による協力を得ながら、また、防災活動に取り組んでおられる個人、団体と連携した組織の育成強化を図るべきではないか、御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 赤野消防長。   〔消防長赤野智睦君登壇〕 ◎消防長(赤野智睦君) 災害発生時、特に初期段階における地域防災については、共助を念頭に置いた自主防災組織の活動が重要と認識しております。また、いざというときにスムーズな活動を行うためには、平常時から災害を想定した訓練や災害に対する知識が必要と考えております。 平成27年度の自主防災組織の訓練実績ですが、総組織数294組織で、初期消火訓練が181回、救急講習が31回、防火講習が21回、DIG訓練、これは災害図上訓練ですが、22回、防災訓練が33回などなど、延べ319回の訓練を実施していただいておるところでございます。 防災意識を高めるために消防といたしましては、消防職員、消防団員、地域防災活動協力員や防災士の方々が中心となって組織してみえます高山市民防災研究会などの防災活動団体と協力して、自主防災組織に対する訓練、講習など、従来の訓練等以外にも、DIG訓練やHUG訓練、HUG訓練といいますのは避難所運営訓練になりますが、そういった訓練など、お年寄りや学生、生徒でも参加しやすい訓練を行い、自主防災組織の育成、強化を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 町内会の自主防災組織が機能を図ること、こういうことで災害発生時の被害を最小限にとどめることが可能となります。ぜひとも自主防災組織の機能強化をさらに図っていただきまして、いざとなったときに自主防災組織がしっかりと行動できるような取り組みを地域とともにお願いしたいなと思っております。 次の質問を伺います。 子どもの予防接種についてでございます。B型肝炎についてであります。 B型肝炎は、ウイルス性肝炎の1つであります。現在、日本において、B型肝炎ウイルス感染者は最大140万人と推計されており、そのうち10%から15%は、肝硬変や肝がん、肝臓がんなどの慢性肝疾患によると言われております。 日本では、C型肝炎に次いで多いのがB型肝炎であると言われております。このB型肝炎ウイルスは、他の肝炎ウイルスよりも血液中のウイルス量が多いため、唾液や体液などで感染しやすいとも言われております。このB型肝炎は、感染してから症状がほとんどないまま、ウイルスが体外へ排除される場合もありますが、急激に症状が悪化し、急性肝炎となり、まれに命にかかわる劇症肝炎を引き起こす可能性もあります。 また、将来恐ろしいのが、ウイルスに感染した後に体外へ排除されずにウイルスが肝臓にすみつく状態、いわゆるキャリアと呼ばれる状態になることです。キャリアとなっても症状はほとんどなく、検査をしなければ感染しているかどうかはわかりません。 また、子どもは大人に比べてキャリアとなりやすいことがわかっております。そして、キャリアの状況が続くと肝臓に炎症が起こり、肝機能の異常が見られ、慢性肝炎という状況になり、その後、肝臓の細胞が破壊されて肝機能が大きく低下する肝硬変と呼ばれる病気に、またそこから肝がんへと進行する可能性もあります。 このB型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝がんで苦しんでおられる方たちの多くは、子どものときに、それも3歳までに感染したためだと言われておるところでございます。 一方で、近年、問題視されているのは、父子感染など家庭内感染や保育園での子ども同士による水平感染です。これは、感染経路がわからない場合も多く、より一層予防接種による予防の重要性が増しております。 特に幼児期は、唾液や汗、涙、鼻水などの体液を介して感染する機会も少なくないとも言われております。これを受けて、世界保健機構(WHO)は、平成4年に全ての赤ちゃんにB型肝炎ウイルスを接種するユニバーサルワクチネーションを勧告し、既に2008年において、WHO加盟国193か国のうち177か国がB型肝炎ウイルスが定期接種となっている状況であります。そして、日本でも、ようやくことし2月5日に開催されました厚生労働省の厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会予防接種基本方針部会の中で、平成28年10月からB型肝炎ワクチンの定期接種が承認をされました。 そこで、このB型肝炎ワクチンの定期接種制度の内容について、接種対象者、接種方法などについてお伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 矢嶋市民保健部長。   〔市民保健部長矢嶋弘治君登壇〕 ◎市民保健部長(矢嶋弘治君) B型肝炎ウイルスワクチンの定期接種につきましては、B型肝炎ウイルスにつきましては、今ほど議員が御説明されたとおりでございます。特に年齢が低い時期に感染いたしますと、ウイルスを排出できないことから、長期にわたって肝臓の細胞内にウイルスが存在します、いわゆるキャリアになることがございます。そういったキャリアのうち、約1割の方が慢性肝炎を発症されまして、その後、肝硬変や肝がんを発症することがあると言われているところでございます。 国では、このキャリアになることを予防するために、現在は任意接種でございますB型肝炎ワクチンを定期接種することについて検討されてまいりました。現在のところ、B型肝炎ウイルスワクチンの定期接種につきまして、厚生労働省から正式な通知は出されておりませんが、先ほど議員お話しされました厚生科学審議会の予防接種ワクチン分科会における承認事項としまして、平成28年4月以降に出生されたお子さんを対象に、平成28年10月から定期接種を開始しまして、生後1歳に至るまでの間に3回接種するということとなっております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 対象者、生後1歳になるまでの子どもさんということでございます。この定期接種が開始されれば、対象者への個別通知になろうかと思いますけれども、接種率も大きく伸びるのではないかと考えております。 しかし、1つ懸念をしているのが、国の定期接種の対象から外れたお子さんへの接種に関してであります。大人になってB型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝がんで苦しんでおられる方たちの多くは、子どものとき3歳までに感染したためだと言われております。これに関し、厚生労働省厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会でのワクチン評価に関する小委員会報告の中で、感染者が1歳未満の場合90%、1歳から4歳の場合は20%から50%、それ以上の年齢になると1%以下で、持続感染状態、キャリアに移行するとの報告がなされております。このことから、1歳以上の乳幼児にB型肝炎ウイルスに感染したキャリアとなるリスクは決して低いものではなく、接種の重要性を感じております。 日本におけるB型肝炎ワクチンの接種状況については、民間の調査では、2015年3月から4月に、ミキハウス子育て総研ハッピーノート.comが子育て中の母親と父親320人を対象にアンケートを実施しました。その結果によりますと、B型肝炎ウイルスを受けた方が33.5%と約3人に1人がワクチンを実施しており、今後受ける予定と回答した7.5%の方を含めると、約4割の方が接種に積極的であることがわかっております。 一方、約6割の方がワクチン接種を受けておらず、その理由としては、任意接種だからが52.7%と最も多く、医師から勧められないから33.9%、ワクチンを知らなかった33%、自治体の助成がないから32.1%といったものが上がっております。 そうしたことから、本市においても、まだワクチン接種を済ませていない未接種の子どもさんたちの中には、これらの理由による未接種の方が多く存在していると考えます。さらに、このワクチンは3回接種しなければならず、費用も1万5,000円くらいかかり、家計には大きく経済的な負担となります。 また、B型肝炎に罹患をしてしまうと治療が非常に困難で、その費用も高額でございます。こうしたことから、経済的な負担も乳幼児時期にワクチンを接種することで多くの予防をすることができます。こうした現状から考えますと、定期接種の対象から漏れてしまう1歳以上から3歳までの子どもさんに対しまして、任意助成、時限的な事業として接種の補助ができないか、御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 矢嶋市民保健部長。   〔市民保健部長矢嶋弘治君登壇〕 ◎市民保健部長(矢嶋弘治君) B型肝炎ワクチンの定期接種につきましては、予防接種ワクチン分科会におきまして、B型肝炎のキャリア化を予防するという効果やワクチンの確保など総合的に検討されまして、1歳未満のお子さんを対象とされたところでございます。 定期接種対象以外の年齢のお子さんのワクチン接種につきましては、キャリア化予防の効果や接種時期、回数等について、まだ分科会の統一見解が出されておりません。現在のところ、任意接種に対する助成は考えておりませんので、お願いします。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 今は考えていないということでございましたけれども、やはり今の1歳から3歳までの未接種の方が、何人おられるかまだわかりませんけど、相当の方がおられると思います。この方のためにも、やはり接種の任意補助というものを何とかできないかと思いまして、要望をさせていただきます。 次に、ロタウイルスワクチンの接種についてでございます。 ロタウイルスワクチンについては、以前、倉田議員さんも話をされております。このロタウイルスは、乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因で、感染の頻度も高く、乳幼児の100%が5歳までに感染すると言われております。ロタウイルスによる胃腸炎は、冬から春にかけて乳幼児を中心に流行し、感染力が強く、感染すると約2日の潜伏期間を経て、主に乳幼児に4日から5日、突然の強い嘔吐や下痢症状、発熱が生じます。そうした強い嘔吐や激しい下痢により急速に脱水症状が進むため、入院治療を要する場合が多く、我が国では、毎年約80万人の乳幼児が病院にかかり、うち1割の約7万8,000人が入院を必要とされます。 また、ロタウイルスは、下痢だけではなく、脳炎や脳症など重篤な神経系合併症を引き起こすこともあり、日本における小児の急性脳炎脳症のうち4%がロタウイルスによるもので、原因の3位に上げられております。また、後遺症による麻痺等は38%と高くなっております。 このロタウイルス胃腸炎に対して、基本的には治療法はなく、感染し発病すると、ウイルスが体の外へ出るのを待つだけで、脱水症状を起こさせないよう水分を補給するのみで、子どもには大変苦しい病気であります。だから、ワクチンの接種が、防御が肝要とされます。こうした乳幼児が感染するロタウイルス胃腸炎ワクチン接種について、メリットをどう認識しているのか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 矢嶋市民保健部長。   〔市民保健部長矢嶋弘治君登壇〕 ◎市民保健部長(矢嶋弘治君) ロタウイルスにつきましては、先ほど議員御説明のとおり、5歳までにほとんど全てのお子さんがこのウイルスに感染をされまして、就学前のお子さんの約半数がこのロタウイルス感染症で小児科外来を受診されると言われております。ほとんどの場合、対症療法ということで治療されるわけなんですけれども、時に嘔吐や下痢に伴う合併症のため入院治療に至る場合があります。 このロタウイルスワクチンを接種することによりまして、ロタウイルスによります胃腸炎の減少や重篤化を予防する一定の効果があると捉えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 一定の効果を認識されておみえになります。 子どもは大切な未来の宝であり、子どもの未来を奪うような病気でありますこのロタウイルス。子どもを持つ親なら、我が子に苦しい思いをさせないためにワクチン接種をしたいと思うのが当然でございます。しかし、このワクチンは定期接種の対象になっておらず、任意接種となっており、2回の接種が必要になるため、2万5,000円から3万円ぐらいかかります。子育て世代にとっては大きな負担となり、経済的基盤が厳しい家庭にとっては、接種することもためらうことにもなり、乳幼児に有無の差が生じてまいります。子どもの健康を守る上でどうにかならないかと考えております。 先ほど話をしましたが、ロタウイルスは感染力も高く、衛生面等に気をつけておいても感染拡大を防ぐことは難しく、毎年全国的な流行が見られております。ロタウイルスによる感染症の治療法がないため、ワクチン接種による予防が唯一であり、最も効果的な感染抑制にもつながります。 現在は、自治体によっては公費助成を行っているところもあり、接種費用の半額、もしくは全額を助成している状況もございます。多くの乳幼児に接種が行われることにより、ロタウイルスの感染症の拡大を抑制する効果が期待をされます。そのことにより乳幼児の健康を守ることにもつながってまいります。子育て世代の経済的な負担を軽くすることで、安心して子育てができるまちとして、このロタウイルス胃腸炎ワクチンの接種の助成制度ができないのか、本市のお考えを伺います。 ○議長(水門義昭君) 矢嶋市民保健部長。   〔市民保健部長矢嶋弘治君登壇〕 ◎市民保健部長(矢嶋弘治君) ロタウイルスワクチンにつきましては、一定の効果がある反面、副反応も認められることから、現在、厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会で引き続き検証が行われておるところでございます。 現時点でロタウイルスワクチン接種に対する助成は考えておりませんが、引き続き国におけます検証状況を注視しまして、その結果を踏まえて検討させていただきたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 国の状況を確認しと、見ているということで、これまでさまざまなワクチンの接種の要望をこの場でもしてまいりましたけれども、やはり先進的な、市としても子どもを本当に守る、そうした子育てしやすいまちとして、どうかそういう部分で前向きに考えていただきたいと思っております。 次に、食品ロスの削減につきましてでございます。 皆さん、食品のロスと聞くとぴんとこない方も多いと思います。今大きな課題となって取り上げられております。食品のロスとは、もったいないとの言葉にあるように、まだ食べられる状態の食品が捨てられてしまうことで、家庭を始めスーパーやホテル、飲食店など、あらゆるところで発生をしております。 農林水産省によると、日本では年間2,797万トンの食品廃棄物が発生しており、このうち4割に近い632万トンが食品ロスとして推計されております。さらに、日本の食料自給率は4割と大半を輸入に頼っているのが現状でございます。また、食品ロスの半分は事業者、もう半分は家庭から出ていると言われており、事業者からは330万トン、家庭からは302万トンとも言われております。 そうした中、例えば家庭では、野菜の皮の厚剥きなどの過剰除去が55%、賞味期限などで食べずに廃棄する直接廃棄が18%、食べ残しが27%となっております。家庭での1人当たりの食品ロス量は、1年間で約24.6キログラムと試算され、茶わん1杯分の御飯を150グラムと仮定すると、茶わん164杯分の御飯に相当します。これは大変驚くことでございます。一般的に家庭や事業者から食品ロスが発生している状況を踏まえますと、本市ではどんな状況なのかと考えてしまいます。 そこで、市内における食品ロスの現状をどう把握しているか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 浦谷環境政策部長。   〔環境政策部長浦谷公平君登壇〕 ◎環境政策部長(浦谷公平君) 食べ残しや賞味期限切れで廃棄された、いわゆる食品ロスは食品廃棄物に含まれていますが、市内で発生している食品廃棄物については、事業系のものが民間の処理施設で処理されているため、その全体量は把握しておりません。市の施設で処理している廃棄物のうちでは、事業系を除く一般家庭から発生した食品廃棄物は、平成27年度は約5,200トンと推計しております。さらに、国内の食品廃棄物に含まれる食品ロスの推計値を参考にすると、約5,200トンの食品廃棄物のうち約1,800トンが食品ロスであると考えられます。 このことから、市内の家庭ごみの中には1日当たり約5トンの食品ロスが含まれていると考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 1日家庭で5トンというのが廃棄されているということで、かなり大きい数字で驚きましたけれども、こうした食品ロスのさまざまな取り組みが行われておりますけれども、自治体として初めて食品ロスの削減目標を示した京都市は、2020年までに食品ロスの発生をピーク時から半減させるとして、家庭で食材を無駄にしないための啓発活動を展開しております。また、家庭で出た食品ロスは、4人家族で年間6万5,000円の負担になるという市独自の試算をしております。そうしたことを市民に提示して、少しでも削減に対し意識してもらおうという取り組みがされております。 また、松本市では、食育の推進、生ごみの削減の観点から、もったいないをキーワードとして、あらゆる世代、家庭や外食時などのさまざまな場面で食べ残しを減らす取り組みを進めております。例えば飲食店から出る食品ロスを約6割はお客さんの食べ残しで、外食で食べられる量を注文するなどして取り組んでおります。また、残さず食べよう!3010運動として、会食や宴会などで乾杯後30分とお開きの10分間は席を立たず、料理を楽しむことを勧めております。 このことは、飛騨地方でも、宴会の乾杯後、めでたが出るまで席を立たず、お酒と料理を食し、歓談する、そうした習わしがありますので、これに似た部分であろうかと思っております。 ともあれ、宴会などでは、酒は飲むけど、料理は残るというようなことがないよう、つくっていただく方のことを思い、しっかり食べる心がけが大事であろうかと考えております。 さらに、幼稚園や保育園での年長児を対象に、食べ物をつくってくれた人への感謝や資源の大切さを忘れない心の育み、食べ残しを減らすための参加型の環境教育を行い、小学校では、世界には食べたくても食べられない人がいることや、日本は食料の自給率が低いこと、それでも捨てている食べ物がたくさんあることなど、環境教育を進めております。 こうした取り組みについて、まずは幼稚園や保育園など教育施設において、また、学校の食育環境教育などを通じて、食品ロスの削減のための啓発についてどう考えてみえるか、お伺いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 井口教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長井口智人君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(井口智人君) まず現状といたしまして、高山市における学校給食の残渣量、いわゆる食べ残しの量について紹介をさせていただきたいと思いますが、量につきましては、献立や学校、クラスによって異なっておりまして、その日によってかなり差があるのが実情でございますが、把握しているものといたしましては、高山センターから供給しております約6,500食の今年度4月から5月の1日当たりの平均では、提供している副食、これは主食、牛乳以外の量でございますが、総量1,853キログラムのうち、汁物も含む残渣、総残渣量が112キログラム、残渣率といたしましては約6%となっているところでございます。 次に、学習や啓発などの状況でございますが、市内の幼稚園や保育園では、小さなお子さんに食べ物の大切さや、好き嫌いなく残さず食べるということを給食やおやつの時間に教える取り組みを行っており、小中学校では、家庭科の調理実習などの際に、食品ロスの問題を考える指導を取り入れております。また、栄養教諭などによる食育の授業や給食時間を利用した指導及び保護者に参加を呼びかけて行う給食試食会などの機会を通じて、生きていくために食べ物が必要であること、感謝の心を持って残さず食べることなどの啓発を行っているところでございます。 児童生徒は、委員会等で給食を安易に残さないよう意識し、給食を残さないキャンペーンなどの取り組みを実施しております。こういった子どもたちへの指導の継続や日々の積み重ねが食に対する意識の向上を図り、結果的に食品ロスの削減につながるものと考えております。 今後も季節や行事ごとの食文化を大切にしながら、食について考える指導を引き続き行ってまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) 今るる話していただきました。子どもたちがもったいない精神を感じて、行動をさらにすることで、子どもたちから家族へも波及をし、少しでも食べることの大切さ、また、もったいないという心を育んでいただけるものだと感じております。 本年4月から始まった国の第3次食育推進計画では、2015年の国連報告によりますと、世界では約8億人の人々が飢餓や栄養不足で苦しんでいる。その一方で、我が国では、世界全体の食料援助量である約320万トンを大きく上回る約642万トンの食品ロスが発生をしております。食品ロスの削減の取り組みが不可欠でございます。 さらに、個々の食品関連事業者だけでは取り組むことが難しい商習慣の見直しや、消費者から食品ロスの削減を意識した消費者行動等を実践する自覚の形成等を実施するため、もったいない精神で食品ロス削減にかかわる国、地方公共団体、食品関連事業、消費者等のさまざまな関係者が連携し、食品の製造から消費に至るまでの一連の食品供給工程全体で食品ロス削減国民運動を展開するということが言われております。 家庭における食品在庫の適切な管理や食材の有効活用の取り組み、さらには飲食店等における飲食店で残さず食べる運動や持ち帰り運動の展開など、市民、事業者が一体となった食品ロスの削減に向けての取り組みを進めることが重要と考えます。 これについての市の見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 矢嶋市民保健部長。   〔市民保健部長矢嶋弘治君登壇〕 ◎市民保健部長(矢嶋弘治君) ただいま議員御紹介の国の第3次食育推進基本計画におきまして、食の循環や環境を意識した食育の推進を重点課題の1つとして、食の生産から消費までの食の循環の理解と食品ロスの削減を推進することとされております。 市におきましては、第2次高山市食育推進計画の基本施策の1つに、食に対する関心と感謝の気持ちの醸成を掲げまして、生産者と消費者との交流を通して、食ができる過程を理解したり、食に関する感謝の気持ちを育むため、保育園や学校における食育の推進などに取り組んでまいりました。 今年度は、第2次高山市食育推進計画の最終年であることから、計画の評価や見直しを行う中で、引き続き食に対する関心や感謝の気持ちを一層深め、市民全体に食品ロスの削減意識を広げる取り組みを各課と連携して検討してまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員。 ◆6番(山腰恵一君) この食品ロスの削減につきましては、まずはやはり市民レベルで何らかの行動をしている人をふやすことから始めなければなりません。他市では、NPOによるフードバンク等の取り組みが行われております。未利用食品など必要なものを必要とされる方へ届ける活動が展開されております。無駄をなくすことは、家計も潤わすことはもちろん、地域のため、ひいては地球環境にも大きな影響をもたらすとされています。世界の8億人が飢餓や栄養不足で苦しんでいることを忘れてはならないと考えています。 市民一人一人がもったいない精神の意識づけをすることで、社会貢献につながり、ひいては世界の人々を救うことにも通ずると考えております。行政が旗を振って、一緒に進めてはどうかと思っております。この件につきましては、最後に市長にこの思いをお伺いしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 先ほど宴会などで食品が余るというお話もありましたけれども、私の立場とすると、ダイエットをしているものですから、少し残してしまうというようなこともあって、ただ、今持ち帰り運動というお話もありましたけれども、現状の中では、いろんなところでは、食品衛生上、持ち帰りを遠慮してもらうというような運動があるとか、幾つかの課題があります。ただし、食べ物というものは自分の体をつくるものでありますから、世界の人々がやはりその危機に陥らないように、自分が食べ物に感謝をしながら、自分に必要なものだけとるという考え方というのは大事なことではないかなと思っています。 それは、単に子どもたちに教育することだけではなく、大人たちもそれを考える必要があるだろうと思います。ともに健康に留意しながら考えていきたいと思っています。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、山腰議員の質問を終わります。 次に、中筬議員。   〔10番中筬博之君登壇〕 ◆10番(中筬博之君) おはようございます。 早速質問に入らせていただきます。 公共施設等総合管理計画の策定について、まず伺っていきます。 3月議会において水門議員の質問について、計画策定に当たって専門部署は設けず、企画管理部を中心とするプロジェクトチームで対応すること、スケジュール的には、平成28年度の早い時期の策定に向けて取り組むこと等の答弁がありましたが、その中から何点か気になったところを確認させていただきたいと思います。 総合管理計画の目的は、公共施設白書とともに、現状を市民にわかりやすくお示しをして、理解、協力を得ることにもあると考えます。そのために、公共施設の全貌と将来予測を示す白書のバックデータとしての個別データ、カルテ、そういうものは全て公開が基本であって、なおかつきちんと更新をしていく必要もあると考えます。 その上で求められるのが、市としてあるべき行政サービスの水準を市民とともに丁寧に議論をすることではないかと考えます。重要なのは公共サービスであって、公共施設そのものではありません。住民にとって最低限必要な生活基準、いわゆるシビルミニマムに基づいて、市民との協働でインフラを含む公共施設、まちづくり、社会保障等の水準を定めるべきで、そこをまちづくり協議会で議論してもらうという考え方はそのとおりだと感じます。 広大な市域を要する高山市においては、全てを一律の基準でまとめ上げるのが難しいことを理解した上で、総資産の適正値、適正量の議論を深め、必要コストとかけられるコストから削減目標、総量の数値目標を見出す必要もあります。単純に不要と判断できるものはいいですが、住民にとってあったほうがいいというレベルのものをどう扱うか、総論賛成、各論反対の住民意見とどう折り合いをつけるかということが昨今の重要なテーマでもあります。 市長は、3月、周辺住民が切り捨てられるようなコンパクトシティの考え方は適さない、行政資産は行政のものではなく住民のものであって、単にコストのみで考えるべきではないと言われました。その言葉自体を否定するものではありませんが、それでいいのか、それでやっていけるのかという重たい問題を突きつけたのが公共施設白書である以上、その議論は責任ある行政の立場として当然やっていかなければならないと考えます。あるべき行政サービスの水準、公共資産の適正値、適正量という議論について、市の考えを伺います。   〔10番中筬博之君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 議員のお話、前段の部分は私もそのとおりだと思っております。後段の部分につきまして若干見解を述べさせていただきたいと思いますが、私どもは、市政を運営する上で、常にその現状をチェックしながら見直しを図る、この努力は重ねてまいっておりますし、先般、発言をさせていただいたコンパクトシティの問題でございますけど、同様にコンパクトシティを否定しているのではなく、しかしながら、そのコンパクトシティという言葉のもとで、必要であるか必要でないかということが十分議論されずに結論が出されるというようなことは避けなければならないという意味での発言でございます。 その意味で、昨年度取りまとめました人口ビジョンでも示しておりますとおり、今後さらに人口減少が進む、社会情勢が変化していくことは明らかでありまして、持続可能なまちづくりに向けて、市が所有する公共施設などの量的な見直しや、それから質的な見直しは必要であります。そのために、高山市公共施設等総合管理計画を策定することとしておるのでございまして、策定に当たりましては、まず、市民の皆様にも、市が置かれている公共施設の現状について、情報を十分提供し、そして、その情報を共有していくことが必要であります。その上で、どのような行政サービスの水準が必要であるのかということについて、市民の皆様や議会とも十分に議論をしなくてはなりません。 結論から言えば、痛みが生じると必ず思います。それを共通の痛みとして理解できるかどうか、ここにかかわっておりますが、お話がございましたように、十分な理解を図るための時間も必要でありますし、機会も必要であるだろう、そういうことに我々は努力してまいります。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 十分な議論が必要であるということでした。私は、支所のあり方についての議論も、もちろん業務の見直しとあわせてですが、あってしかるべきではなかったのかと感じております。この総合管理計画が国の示すたたき台に色づけをして終わるようなやっつけ仕事で終わらない、ではない丁寧な議論をお願いしたいというふうに申し上げておきます。 次に、管理を集約する部署の設置についてですが、計画がどこまで具体的に踏み込んだ内容となるのかわかりませんが、計画を策定することが最終の目的ではありませんので、プロジェクトチームで責任を持って策定すると言われるのであれば、それはそれで是としますが、要は計画策定後の公共施設のマネジメントを誰がやるのかという問題であります。 行政の縦割りについて常々感じているのは、責任がないこと、誰も責任をとらないことであります。施設を使って市民サービスを提供する各担当部局に施設のマネジメントのための予算がつくわけではありませんので、余計にそれを感じます。そういう中で一番問われるのは、発想力やセンスであって、具体的実践の中から新たな課題を見出して、より効果的なマネジメントを遂行する能動的かつ統括的な部署がないと成果が出せないのではないでしょうか。 できるのであれば、副市長直轄で権限を持たせた部署という形をイメージしますが、いかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 公共施設総合管理計画策定後のマネジメント体制につきましては、現在の計画策定の体制と同様に、企画管理部、財務部が中心となってかじ取りを行う中で、施設について熟知しておりますそれぞれの各部局が責任を持って策定しました計画の方針に基づいて、マネジメントに取り組む形で進めていきたいというふうに考えておりますので、現在のところ御提案の副市長直轄の部署等、専門的な部署を設置するという考えはございません。 ただ、議員おっしゃられましたとおり、今冒頭で、提供する公共サービスの水準というお話がありましたが、私どもは、公共サービスの提供というのは、施設を介しての提供というのももちろんございますが、そうじゃないソフトでの、箱物を介したものじゃないサービスの提供もあると思います。そういったものを総合的に考えるのであれば、26年の4月に議会からも政策提言いただきました、新しい公共に向けた仕組みづくりを踏まえまして、第六次の今後も行政改革を進めていくわけですけれども、その中で、今申し上げました公共施設を介しての行政サービスの提供という視点からだけではなくて、全体としての公共サービスのあり方ということについて、今後検討を進めてまいりますので、その中では、あわせて新たな組織体制が必要かどうかということについても研究していきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 改めて専門組織の設置は考えていないという御答弁でした。企画財政、各担当部局が責任を持ってやるというお話でしたが、できるのかという話を私はさせていただいておるわけでありまして、そういう意味では、行政の内部だけでできないのであれば、外部の視点を入れた第三者的な組織がそこにきちっと提言をしてくださるようなものを設置するとかということもありだと思いますし、個人的には、副市長を2人にしてもいいのではないかということも、ちょっとたわ言として言わせていただきます。 3月議会では、あわせて策定が求められる立地適正化計画についても情報収集を行い、必要性も含めて慎重に検討していくとの答弁でした。やりませんよという意思表示だと受けとめましたが、行政が線引きをして、住民の居住等を誘導するという部分で、その影響も踏まえ慎重になることは仕方がないとしても、公共施設の適正配置、再配置については、将来のまちづくりを見据えて検討していかなければならないと考えます。 今動き始めたシビックコア計画に基づく高山地方合同庁舎の建設で、国から示された交換地、法務局や税務署の跡地などに加え、移転予定の警察署跡地など、まちの中で歯抜けとなる敷地をどう生かすか、時代のスピードが増してくる中で、成り行き任せで手おくれにならないよう、かつ手戻りにもならないよう、早急に将来を見据えた適正配置の検討が必要だと感じていますが、この点についての見解はいかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 先ほど第三者機関の話がちょっと出ましたけれども、私ども、それが行革推進委員会だと思っております。ここには、それぞれの立場の違った方々がお話しになってみえまして、市民的な目線から、あるいは専門的な、例えば会計的な問題だとか、あるいは総合的な政策の問題からというようなことで御意見をいただいております。 そういう中で、十分議論していただくことで、私はその役目が果たせると思いますし、行革の委員の皆様方にも、そのことについてしっかりお話をして、議論していただくようなことをお願いしていきたい、そう考えております。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 公共施設の適正配置、再配置につきましては、先ほど議員おっしゃられたとおり、26年度に策定いたしました高山市公共施設白書におきまして、最後のところにまとめております、今後の取り組みの方向といたしまして、公共施設の見直しを検討する上で6つ方向性を出しておりますが、その中の1つに、公共施設の再配置ということを掲げております。そのため、公共施設等総合管理計画の策定におきましては、公共施設の適正配置、再配置に対する基本的な方向を示す必要があるというふうに考えております。 ただ、お話の中で出ました立地適正化計画のことにつきましては、先ほどコンパクトシティについても市長が申し上げられたとおり、コンパクトなまちづくりということを否定するものではございませんが、ここはやはり都市の形態等がございますので、慎重に国のほうが考えているコンパクトシティという手法をしっかり吟味して、それをやはり、もちろん住民との対話もそのプロセスでは必要ですし、言葉は悪いんですが、拙速にそこへ向かっていくというのはいかがなものかなというふうに考えておりますので、考え方は人口減少の中で必要だということは思っておりますが、どういう形で高山市でそういったことを進めていくかということについては、十分市民の方とも議論し、また、慎重な検討をして進めていかないと、やはりこれは後戻りできなくなりますので、認識はしっかりしておりますが、慎重にやっていくべきだというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) まず最初に市長がおっしゃったことです。行政サービスのあり方についての議論はそこで、いわゆる行革推進委員会ですか、それでいいのだと思いますが、公共施設のマネジメントがそこでできるのかということを私は申し上げたいと思っております。 それから、立地適正化に絡む話、拙速だという話もありましたが、この議場にいる人間がこの世からいなくなる先の話に誰が責任を持つのかというちょっと大きな話をです。 まちづくりの視点に立って、地域の実情や特色を踏まえ、市民からの要望の多い公園や広場の設置も配置も含め、高山市らしい景観にも配慮した上で、不足する部分については民間機能の誘導というようなことも考えるべきであるということだけ申し上げておきたいと思います。 次に行きます。木材産業の競争力強化についてであります。 文化庁が認定をする日本遺産に高山市の「飛騨匠の技こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―」が認定され、改めて飛騨の匠の歴史と受け継がれてきた伝統文化のすばらしさに思いをめぐらせております。また、タイミングよく手仕事職人の心意気を感じさせる第32回全国削ろう会が開催をされ、国内外から過去最多の850人の職人が集い、わざを競いましたが、これもまた匠のわざのDNAと木材の持つポテンシャルに感じ入ったところであります。 言うまでもなく、森林に囲まれた高山市は、森林を起点とする文化や伝統が息づいて、まちの価値を高めてきました。そして、今後もっと高みを目指すために、天然資源と社会資源、人材とネットワークをフルに活用して、林業、製材業、木工業と歴史的建造物、伝統産業をどう生かし、地域活性化を図るのかという転換期にも来ているのではないかと感じているところであります。 高山駅舎自由通路の内装材には東濃ヒノキが使われるそうですが、地元産の杉は数量がそろえられなかったとも聞き、少し残念に感じておりますが、調べてみますと、今や国産材の自給率は3割を切っているとも言われております。 高山市の場合は、平成24年に高山市公共施設等木造化方針が策定され、小中学校の木造校舎への建て替えや内装化を始めとして積極的に木材利用が進められている印象を持っていますが、市全体として、民間もあわせて建築から木工業、チップやペレットなど、バイオマス利用までを含め、地産木材の利用の現状をどう分析されているのか、あわせて、戦後植林された日本の山林は、本格的な収穫の時期を迎えていると言われていますが、高山市における木材の成長量と伐採量のバランスはどうなのか、今後の市産材の需要と供給量についてどう見通しておられるのか、伺います。 ○議長(水門義昭君) 橋本農政部長。   〔農政部長橋本哲夫君登壇〕 ◎農政部長(橋本哲夫君) 伐採運搬業者、また木材加工業者から聞き取りによります平成26年度の推計でございますが、生産量は約9万2,000立米でございます。1つとしては、建築用材が約3万立米、合板用材が約2万9,000立米、その他としまして、製紙用チップや木質バイオマス燃料等の原料等に3万3,000立米となっております。 次に、伐採量と成長量の部分でありますが、年成長量につきましては約25万立米と推計をしておる中で、伐採量はここ数年、約20万立米でほぼ横ばいの状態になっております。このうち運び出すことができない木材がありますので、供給量は、先ほどの話をしました9万2,000立米になるわけですが、平成23年度と比較して約1.5倍にふえております。 内訳としましては、建築用材につきましてはほぼ若干微減となっておりますが、合板用材、またその他のものとしての製紙用チップ、あるいは木質バイオマスエネルギーへの利用は約2倍となっておりまして、木材の需要全体として今後も需要増が見込まれておるところでございます。 また、高山市八次総合計画では、間伐実施後に運び出すことができることを促進することによりまして、木材の生産量を36年に14万9,000立米というふうにしておりまして、約5万立米増の需要増を見込んでおるところでございます。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 需要増を見込んでいるという大変力強いお話ですが、ただ、木材需要の4割は基本的に建築用材というふうにも言われます。県のデータで見る限り、市内の住宅着工件数も減少の傾向で、厳しい見込みがなされておりますが、木材そのものの持つポテンシャルは無限だということは感じております。 特に、日本にしかない杉は、その学術名をクリプトメリアジャポニカといいまして、これは隠された日本の財産という意味だそうですが、花粉が若干イメージを悪くしていますけれども、温度や湿度を保つだけでなく、大気中の汚染物質を吸収し、空気をきれいにしたり、断熱効果もあったりと、日本の気候に合ったすぐれた資源でもあります。 この4月には、イタリアミラノで開催された国際展示会にトヨタ自動車が木製のコンセプトカーを出展して注目を浴びました。部位ごとに杉やヒノキ、ケヤキなどを使い分け、くぎやねじを一切使わず、日本の伝統技法で組み立てたということなんですが、実際にこれをやったのは高山の家具メーカーさんであります。 また、伊勢志摩サミットで各国の首脳が会議をしたテーブルも、納めたのは高山のメーカーだったと報道され、誇らしく感じていますが、物づくりの基本が木工でもあり、本物にこだわる匠の技術が高山にはあるなというふうに実感をしております。 国では、この5月、森林林業基本計画を閣議決定し、本格的な利用期を迎えた森林資源を生かし、林業、木材産業の成長産業化を図るとしておりますが、その中に、杉などを使った直交集成材(CLT)の普及を成長戦略の1つとして組み込んでおります。 林野庁と国交省が策定したロードマップにも記載されてきましたが、その使用に当たっての認可基準がようやく告示されたことで、個別にとらなければならなかった大臣認定が不要となりましたし、このCLTは、既にヨーロッパを中心に中高層建築物にも利用されており、今後、コンクリートから木材へと新たな木材需要の創出が期待できるものと感じております。 いろいろと上げましたが、市は、新たな木材需要の創出について、建築以外の木材利用や木質バイオマスの活用など、地域材の高付加価値化についてどうお考えなのか、NPOを含め、思いのある多くの森林関係者の取り組みがなかなか広がっていかない、前に進まないと感じられる現状もある中、市として、森林政策、木材産業ビジョンをどう描いておられるのか、産業振興、地域振興という観点での議論は深まっているのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 橋本農政部長。   〔農政部長橋本哲夫君登壇〕 ◎農政部長(橋本哲夫君) 付加価値の高いものでたくさん林業のほうにお金が入るというところは、同じことを思っておるところであります。現在一番高いのは建築用材でありまして、その他のほうのものについても、より多様な用途に使われることによって、木材、これが使われていってくれることがとても大切なことだなというふうにして思っております。 建築用材のほうにつきましては、昨年10月に中津川と締結しました林業木材産業連携協定、また、従来から行っております匠の家づくり支援事業、また、公共施設の木造化といったもので高めていきたいというところを思っておりますし、また、製紙用チップですとか、木質バイオ、また、先ほど議員さんおっしゃられましたCLTとかというものもありますが、高山のほうにはすばらしい産業がありますので、そういったところでも活用していただけるよう、より用途が広がっていくことを期待するところであります。 森林政策、また、ビジョンのほうにつきましては、第八次総合計画、あるいは高山市森林整備計画のほうでの木材利用の部分になりますが、木材生産量をふやすとともに、木材需要を拡大していきたいということをうたっております。 また、民間のほうにつきましても、材を搬出、あるいは利用していただく取り組みも若干進んでおりまして、例としましては、NPO法人によります木の駅プロジェクトでの間伐材の搬出促進、また、薪づくり体験会というところが未利用材の活用などでの取り組みもございます。 市としましても、未利用資源活用促進事業によりまして、あるいは小規模森林整備事業などにより木材の搬出を促しまして、より有効に活用していただけるよう努めてまいっておるところでございます。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 私もいろんな方々、行政も含めて、民間、NPOも含めて、いろんな方々が一生懸命取り組んでいらっしゃることは知っておるつもりですが、そこがもう一歩脱皮できないような気がしているものですから申し上げました。 国では、森林環境税の議論もスタートするようですし、しっかりアンテナを張りめぐらせていただいて、森林のまち高山のステータスを高めるような取り組みをぜひお願いしたいと思っております。 次ですが、最近、飛騨木工連合会が出されました『新飛騨の匠ものがたり』というぶ厚い本や、迎賓館にも家具を納める秋山木工の社長が書かれた『丁稚のすすめ』という本を読んで感銘を受けましたが、職人は日本が世界に誇れるものの1つであり、物づくりの原点は、家具を含めた木工にあると感じ入ったところであります。 市内のある家具メーカーでは、20人ほどの採用募集枠に100人を超える応募があるとお聞きをしました。そのほとんどが都会からの大卒組で、市内のどの家具メーカーも、社員の25%から30%くらいは県外出身者が占めているということであります。 木工芸術スクールの学生も同様の傾向と聞いており、今、物づくりの原点としての木工、その求心力が他県から若者を呼ぶUIJターンの1つの切り口でもあると注目しているところですが、高山市の人口を下支えしているのは木工ではないのか、木工関連の従業者数、総生産、輸出入という点でも、市への貢献度は大きいというふうに捉えていますが、市はどのように分析をされているのか、まず伺います。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 高山市におきまして、飛騨の家具を始めとする木工関連産業は、重要な基幹産業であるというふうに考えております。工業統計におけます家具装備品製造業の従業者数は、平成24年が909人、平成25年が1,004人となっており、また、製造品出荷額では、平成24年が103億円、平成25年が115億4,000万円と増加をいたしております。 昨年まとめました高山市人口ビジョンの産業に関する分析の中では、家具装備品は、市外に流出するお金と市内に流入するお金の差、いわゆる市際収支が黒字となっている産業の上位に位置しておりまして、市内経済の活性化の観点においても、大変重要な産業であるというふうに分析しておりますので、飛騨の家具のPRにつきましては、今後も力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 今お聞きしたとおりです。私も家具の工場にも伺って、工程に沿って見学もさせていただきましたが、同じ製品を大量につくる流れ作業ではなく、職人によるオーダーメード対応で、技能検定取得者も多くて、意外と若い社員が頑張っていらっしゃるということで好感を持ちました。また、感心をさせられましたのは、飛騨木工連合会の取り組みで、各社が競争原理の中でシビアに競い合いながらも、デザインや技術の研究会などを開いて、ブランド化を推進し、先日は、木工連として特許も取得をしたとお聞きしたところであります。 長い間使っても飽きのこないいい家具を代々受け継ぎ、傷んだら修理して使うという資源や物を大切にする、かつてあった日本のよき文化、そして、家具づくりは森づくりという意味からも、飛騨春慶や一位一刀彫もすばらしい高山の匠のわざでありますが、職人による家具づくりもまた本物で、もっともっと注目されてしかるべきだと感じております。 支援せよとかお金を出せとかいうことではなく、こういう自立して頑張るところにこそ高山の大事な基幹産業として後押しをして、もっとブランドの成長を加速させていく、匠のストーリーに結びつけて、大きい構想の中で力強く競争力強化を図っていく、そういうスタンスがあってもいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) 今、御紹介のありました飛騨木工連合会さんでは、飛騨の家具、飛騨高山家具として、もう既に平成20年には地域団体商標を取得されましたし、また、品質の確保とか製造方法において、統一したルールを導入して、独自に飛騨高山のブランド化に取り組んでおられることは、議員も御存じのことだと思います。 これまで市としましては、飛騨木工連合会さんや関連団体の国内外で開催されます見本市などに出展されまして、こうしたときには、先ほどありました金銭的な補助金ということで支援をさせていただいておりますし、例えば、ことし4月にイタリアのミラノサローネで開催されました展示会には副市長が出向きまして、一緒に事業所さんとPRをさせていただいております。 また、今年度は、飛騨の家具の知名度の向上などを目的として、木工連さんが主催されます飛騨の家具国産材デザインコンペティションへの支援も行うこととしております。 また、これまで、御存じだと思うんですが、トップセールスによりまして、木工連さんやそれぞれの事業所の国内外の販売拡大の取り組みを後押しさせていただいておりますし、市長室を始めとしました公共施設には、積極的に飛騨の家具を導入しまして、来訪される方々とか市民の方にアピールはしております。 先ほど商工観光部長も申し上げましたが、飛騨の家具は、飛騨高山ブランドを構成する重要な要素の1つということを捉えておりますので、積極的に飛騨高山ブランドを推進する牽引役の1つとして、飛騨の家具のブランド化につきましても、国内外におけるアピールを積極的に取り組んでまいります。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) いろんな形で、市長を始め市の皆さんも取り組んでくださっているということは十分知った上で申し上げました。そのほかにも、まだまだ産業観光とか、若いクラフトマンの育成とか、いろんなことができることがあるのではないかという思いで質問させていただきました。 次に移ります。 平成17年4月に施行されました高山市誰にもやさしいまちづくり条例ですが、10年が過ぎて、本当に誰にも優しいと言えるのか、検証が必要ではないのかという視点から質問をさせていただきます。 ユニバーサルデザインの考え方を取り入れたまちづくりの方向性を示すこの条例は、先進的であったと受けとめておりますし、住みよいまちは、行きよいまちとして、バリアフリー観光を始めとするさまざまな施策は、ほかの自治体よりも先んじたわけですが、むしろ先んじた分、その手当てが必要な時期に来ているのではないかと感じております。 わかりやすいハード面で言えば、歩車道共存型道路の経年によって生じた段差やカラー舗装のでこぼこが車椅子の方にとってかえってバリアになっている現状や、歩道の点字ブロックがつながっていなかったり離れていたり等々、その都度担当課にお伝えをしてきました。 今年度も、バリアフリー整備の予算は計上されていますが、行政はいつもやりっ放しの感が否めません。山腰議員が指摘をした市役所1階トイレのオストメイト対応もそうです。2020年東京オリンピックのホストタウンとして、ユニバーサルデザインを徹底し、世界中からお客さんを迎える体制を整え、リピーターを狙うという意味において、新規整備とともに既存の整備箇所の点検、修繕が必要だと考えます。総点検の方針について、市の見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 高山市誰にもやさしいまちづくり条例につきましては、今、議員冒頭で御説明いただいたとおり、10年前に制定しておりますし、また、その後の条例に基づく取り組みにつきましても、議員がおっしゃられたとおり、全国的に見ても先進的な取り組みであったというふうに私どもも自負しております。 確かに制定からもう10年がたっております。また、今おっしゃられたとおり、28年の1月に東京オリンピックパラリンピックのホストタウンにも登録されたということがあって、そのふさわしいまちづくりも進めていかなければいけないという、そういったことを考えますと、10年たっているという中での、今、いろいろな御指摘もありましたし、現状に私ども満足することなく、改善すべき点などがないかについては、積極的に見直しに取り組むとともに、これまで整備してきた箇所につきましても、引き続き点検を行って、継続的に良好な環境整備に努めていきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) やっていきますという話でしたが、私が申し上げたいのは、対症療法的な対応ではなくして、総点検、そして迅速な対応ということを求めたいと思います。 次に、市役所の駐車場の車椅子専用スペースについて伺います。 2台分のスペースが確保されていますが、雪の降る高山でこれでいいのかという御指摘を受けました。もちろん出入り口に近い場所には設置をされておりますが、昨今のそうしたスペースは、高速道路のパーキングエリアにあるように、屋根やひさしを設置して、車椅子でも乗りおりの際にぬれないという形が主流かと感じております。 調べてみますと、誰にもやさしいまちづくり条例施行規則の第10条、移動等円滑化経路の項には、「出入りの際、降雨及び降雪の影響を少なくするひさし又は屋根を設けること」とされております。 市の場合、駐車スペースの看板に、雨や雪の日は花岡駐車場の2階を御利用くださいと書いて逃げていますが、花岡駐車場は、バリアフリー新法に基づく移動円滑化に関する省令に照らすと、スペースは多少広目ですが、車椅子の対応にはなっておりませんし、本庁2階との連絡通路にある開き戸と引き戸の二重構造は大きなバリアであります。 また、そうした構造面に加えて、車椅子利用者だけではなく、妊産婦やベビーカーの利用者、また、外見ではわかりにくい内部障がいをお持ちの方にも安心して利用していただけるよう、看板表示を変えるとともに、利用証を発行するパーキングパーミットという制度も、県など当てにせず、市独自で導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 亀山財務部長。   〔財務部長亀山裕康君登壇〕 ◎財務部長(亀山裕康君) 今ほどの質問のうちで、市役所の本庁において設置をしております車椅子用の駐車区画から本庁舎出入り口までの移動等ということに関してでございますが、現在お話がありましたように、この駐車区画から本庁舎出入り口までの間には屋根等が設置されていないことによりまして、雨天や降雪時に来庁される車椅子利用者等の皆さんに御不便をおかけしている、あるいは雨天、降雪時には花岡駐車場への利用をお願いしておきながら、連絡通路等においてバリアがあると、こうした議員の御指摘につきましては、利用者の皆様の立場に立って必要な対策をとらせていただきたいと考えております。 なお、対策に当たっては、お話にもありましたように、誰にもやさしいまちづくり条例施行規則第10条、この趣旨に沿った整備が望ましいというふうに考えてはおりますが、建物の構造であるとか、駐車場の配置、それから人や車両の動線というようなことも考慮しますと、ハード面での対策においては一定の制約がかかるというようなことも想定されますので、人的な対応、ソフト面での対応も視野に入れながら、検討していきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) それでは、私のほうからは、車椅子専用の表示を変える考えはという点と、パーキングパーミット制度の導入についてお答えをさせていただきます。 駐車場の車椅子マークは、日本障害者リハビリテーション協会の障がい者をあらわす国際シンボルマーク、車椅子のマークでございますが、車椅子利用者を含む全ての障がい者を対象としているものでございます。一方、障がい者のほか、妊産婦やベビーカー利用者、内部障がいのある方、高齢の方、一時的にけがをされている方などが利用できることをあらわすマークは、全国的に統一的な表示方法が定められていないのが現状でございます。 車椅子マークにかわる新たなマークにつきましては、市外から多くの方がお見えになる現状を踏まえまして、市単独で制定するのではなく、県とも調整しながら、県下統一のマークを制定することが利用者にとってわかりやすいものになると考えておるところでございます。 ただし、統一のマークが制定されるまでの間、妊産婦やベビーカー利用者なども使っていただける旨を記載した看板の設置など、市独自であっても可能な方法がないか、検討してまいります。 それから、思いやり駐車場と言われておりますパーキングパーミット制度でございます。車椅子利用者、妊産婦やベビーカー利用者、内部障がい者といった方が公共施設等の駐車場を安心して利用できるための対策の1つであると認識しているところです。現在、全国的なパーキングパーミット制度の導入は県単位で行われており、相互利用が可能な広域的な制度となっているため、県が主体となった制度導入が効果的と考えているところでございます。 今のところ、岐阜県では制度の導入が行われておりませんが、平成27年秋の県市長会議におきまして、県としてパーキングパーミット制度の導入を要望したところ、県では、関係者からの意見を伺い、岐阜県型のパーキングパーミットのあり方を検討する旨の回答がありました。そうしたことから、今後は県の検討状況を踏まえ、必要な対応をとってまいります。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) いろいろと言われましたが、必要な対策をとるという言葉とともに、県がとか統一したマークがないとかいうこともありますが、わかりやすければいいわけですし、これができないのであれば、これならできるという、そういう対応を考えることが誰にも優しいまちづくりなんだというふうに申し上げたいと思います。 そういう意味で、本庁の駐車場だけを取り上げましたが、ほかの市の施設についても点検をお願いしたいと思います。 次です。先日、腎不全の患者の団体、高山市腎友会の方々からお話を伺いました。従来は、慢性腎炎など腎疾患から人工透析に移行されるケースが多かったようですが、近年、医療技術の進歩により健康診断で早期に発見され、早期に治療できるようになって、その数は減少傾向と聞きます。ただ、その一方で、高齢になってから糖尿病の進行によって腎不全に至り、人工透析治療へ移行する患者がふえており、自力で病院へ通院するのが困難であるという問題が深刻なようであります。 高山市の外出支援事業は、現在、支所地域においては、社会福祉協議会が通院の送迎サービスを担ってくださっておりますが、高山地域にはそれがなく、毎週3回の病院への往復が大きな負担となっております。 この問題については、腎友会としてこれまでに市へ何度も要望書を提出されております。直近では、平成26年2月に外出支援事業の拡大を求める要望書が提出をされ、同年3月には、今後、人工透析患者を含めた障がいがある方で通院などのため外出の頻度が高く、継続的に必要となる方に対する外出手段の確保や自己負担のあり方について、早急に検討を行いますとの市長名による回答書をお返しされております。 そこで伺います。 市内には、人工透析の治療を行う医療機関は3施設しかありませんが、市として透析患者の数や実情をどのように把握されているのか、あわせて、早急に検討すると回答されてから2年、この間どんな検討がなされてきたのか、伺います。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) 人工透析は、高山赤十字病院、高桑内科クリニック及び久美愛厚生病院の3医療機関が実施しておりまして、平成26年度末で124人の方が通院していらっしゃいます。人工透析の方で支援者がいないことなどにより通院困難な方は、高山市では、主に福祉有償運送事業所を利用されていますし、支所地域では、議員申されました、市が市社会福祉協議会に委託した外出支援事業を利用されています。 議員お話しのとおり、人工透析者団体から外出支援事業の拡大を求める要望書をいただきまして、平成26年3月に早急に検討を行う旨の回答書を出させていただいたところでございます。 要望事項の検討に当たりましては、人工透析以外にも、身体障がい者や知的障がいを持たれる方など、支援が必要な障がい者との調整をどのようにしていくのか、それから、外出支援事業を拡大する場合、福祉有償運送事業者やタクシー事業者との調整をどのようにするのかといった課題に対して検討を進めておりました。 その後、福祉有償運送事業者が平成26年度に入りまして廃業の意向を示され、1事業者でございますが、平成26年度末に廃業されました。27年度からは、新規事業者による運行が始まったところでございます。そのことによる利用者への影響、その後の移動手段の確保の状況、どのような不便さを感じてみえるかについての確認などが必要になりまして、検討の結果の取りまとめに時間を要してしまったところでございます。 それら平成27年度の状況を整理し、できるだけ早く要望に対する検討を進めさせていただきます。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 透析以外の方の患者ということもありますが、透析の方の場合は、週3回、1日置きにどうでも病院に通わなければ命をつなげない方々であります。私も、透析患者全ての方々を面倒見てくれというふうに申し上げているつもりはありません。自力で通える方とか、家族が送り迎えのできる方はいいんです。本当に困っている方に手を差し伸べることができないのかということを申し上げたかったわけであります。 また、高山地域といっても、岩滝のように条件が支所地域よりも厳しいところがあるのは認識をされておると思いますし、この件については、飛騨市も下呂市も白川村も皆やっていらっしゃるので申し上げました。切り捨てはしないということをぜひお願いしたいと思います。 次に、少しデリケートな問題ですが、性的少数者(LGBT)について伺います。 LGBTとは、レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとった性的少数者の総称です。少数者といっても、電通総研が2015年に行った調査では、日本の人口の約7.6%、900万人が該当すると言われております。7.6%ということは13人に1人、高山でいえば7.6%は6,800人です。ちなみに、高山市の小学生が約5,000人ですので、わからないだけで私たちの周りにもそれくらい当たり前に当事者がいることになります。これは都市部だけのことではないと感じます。 また、性同一性障がい、今は性的違和と呼ばれるようですが、自分の性に違和感を持つ方々についても、まだまだ当事者が打ち明けにくい社会であることもあって、具体性と現実感が乏しく、自分の周りにはそういう人はいないと思って私たちは暮らしているわけであります。 先日、御自身がLGBTであることを明かして、企業や教育現場での研修会を企画し、講師として理解の和を広げようと活動されている方にお話を聞く機会がありました。研修会の会場では、終了後に、実は私もそうなんですと言ってくる方が少なからずいらっしゃると聞きます。 最近、メディアでも取り上げられるようになって、以前と比べれば認識はされるようになってきましたが、少数派であるため、興味本位で見られたり、偏見の目で見られ、差別的な扱いを受けるなど、人権にもかかわる問題であるとともに、誰に言えない悩みから自殺にまでつながることもあると聞きます。人間として不自然、人として欠陥品というような先入観や無理解が知らないうちに人を傷つけ、孤立に追い込んでいるとしたら、大きな問題です。 そこで伺います。 市として実態の把握はされていないと思いますが、これまでに市の窓口などでLGBTに関する相談や意思表示はなかったか、学校教育現場ではこれまでにそういう問題はなかったのか、人権問題にもつながるこの問題について、正しい知識の普及、偏見や差別の解消を目指した啓発に取り組む考えはあるのか、また、この問題を取り扱う市の相談窓口はどこなのか、まとめてお聞きをします。 ○議長(水門義昭君) 高原市民活動部長。   〔市民活動部長高原透君登壇〕 ◎市民活動部長(高原透君) ただいま議員のほうから御紹介がありましたが、900万人という民間の調査結果が出ておりますが、その数から見ましても、高山市内にも該当する方はいらっしゃるものと推測はしておるんですが、実態の把握はできていないのが現状でございます。 また、市への相談であるとか、いろんな窓口での性別に対する意思表示、私はこうでないという、例えばそんなような意思表示でございますが、そういったことであるとか、学校現場での問題、こういった事例は現在のところ聞いておりませんが、議員おっしゃるとおり、私たちが理解を深めることが大切であるかなということは考えております。 なお、市では、さまざまな人権問題についての啓発を行うために、人権だよりというものを毎月発行しております。これは、本庁とか支所、図書館などの公共施設であるとか、また、まち協、まちづくり協議会の事務所などにもお配りしたり、市のホームページなんかでも紹介をしておるところでございますが、今回御紹介の性的少数者の人権問題につきましては、私どもも人権だよりのテーマとして今年度取り上げることとしておりますので、できた際にはまた御報告したいと思っております。 また、相談窓口の件でございますけれども、人権にかかわる問題につきましては、私どもの部の市民活動推進課が窓口となっておりますので、人権擁護委員による窓口の相談を行っております法務局、ここと連携しながら、相談内容に沿った適切な対応をしてまいります。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) やっぱり高山にもいらっしゃるんですね。最近、ネット上で高山市在住のLGBTの方のブログを見つけました。見えていないだけで間違いなく存在する問題です。 国会でも、超党派の議員による性的少数者問題を考える議員連盟が発足をしておりますし、文部科学省も、LGBTの子どもたちを支援する文書を求め、全国の学校に通達もしております。 また、報道によれば、本年3月、三重県の伊賀市は、申請のあった同性カップルに対し、パートナーと認める公的書類を交付すると告示をしました。いわゆる同性パートナーシップ条例と呼ばれる同様の取り組みは、東京の渋谷区、世田谷区に次いで3例目であり、宝塚市や那覇市も年内実施を目指しているようであります。また、奈良市は、LGBTフレンドリーな観光まちづくりを進めていくと表明されております。こういうことには保守的なイメージの強い高山市ですが、年間430万人、外国人だけでも36万人という観光客をお迎えするわけで、観光戦略として、当事者のみならず、多様性を受け入れるおもてなしはビジネスチャンスにもつながるわけで、2020年の東京オリンピックパラリンピックを前に、きちんと整理をしておく必要があると考えます。 日本政府観光局(JNTO)は、公式にLGBT観光客を歓迎すると表明し、その英語サイトには、東京、京都などのLGBT対応可能なホテルや観光施設の紹介もされております。 ある京都のホテルでは、そういうカップル向けのブライダル企画を提案したり、LGBT支援キャンペーンのスポンサーになることで共感を呼び、売り上げを大幅にアップしている。また、一般企業でも、福利厚生をLGBT対応とすることで、優秀な人材確保や業績アップにもつながっているとお聞きしました。 もちろん、予算をかけてこれを大々的に打ち出す必要はなく、オプションとしてさりげなく提供する。要は、ウエルカムの姿勢を示せばそれでいいわけです。イスラムの方々への対応であるムスリムフレンドリープロジェクトと同じ感覚で、高山市も誰にもやさしい国際観光都市としてのおもてなしとあわせて、ビジネスチャンスと捉えて、海外戦略、観光戦略の一環として乗りおくれないよう、民間事業者とも情報を共有しながら取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕
    ◎商工観光部長(清水孝司君) 市としましては、LGBT観光客をターゲットとして積極的に誘致するというような予定はございませんけれども、ユニバーサルデザインのまちづくりを進める上で、高山を訪問される全ての皆さんが安心して観光できるように、関係団体、また民間事業者の皆さんとともに、おもてなしの充実に取り組んでまいります。 また、性的少数者の受け入れに関する国の動向にも注視をしまして、どのようなバリアがあり、どのような対応が求められているのかというようなことにつきまして、関係団体と情報を共有しながら研究をしてまいります。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 研究をするという、今はそれでもいいと思います。高山市が掲げる誰にも優しいまちの根本は、それぞれの生き方の違いを認め、尊重するということであるはずですので、お願いをしたいと思います。 駐車場の例、透析患者の例、LGBTの例を取り上げましたが、高山市が誰にも優しいまちとなるために、しゃくし定規な対応でなく、100%でなくても、困っていらっしゃる方に何ができるのかと考えていく姿勢が大事であると先ほども申し上げたとおりです。 改めて、誰にもやさしいまちづくり条例を見ますと、第1条、目的には、「住む人、訪れる人、誰もが個人として尊重され、自らの意思で自由に行動し、等しく社会活動に参加する機会を有し、相互に支えあい、さまざまなふれあいや交流のなかで、安全に安心して快適に心ゆたかに過ごすことができるまちの実現を図ることを目的とする」とあり、これの推進指針とあわせて見れば、理念としては、ソフト面とハード面の両面での推進をうたってはいますが、全体的に見ると、平成6年に制定された高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるハートビル法に基づく公共施設や公共工作物、交通環境、住環境など、ハード面に重きを置いたつくり込みになっていると感じます。そして、この条例がネックとなって、民間の施設整備を制限したり、断念させたりしているとしたら、全てがゼロかという対応は本末転倒とも考えるわけであります。 バリアフリーのまちづくりの先進地だからこそ、世界中からさまざまな人々を迎える国際観光都市だからこそ、条例ができて10年たった今、10年前には想定できなかった社会状況もきちんと捉え、口先だけでない真に誰にも優しいまちとして多様性を受け入れる内容を加えた推進体制や発信も含め、検証が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 誰にもやさしいまちづくり条例の検証、今後の方向についての御質問でございますが、先ほど冒頭でもお答えしましたとおり、条例制定後10年、ハードだけではなくてソフト両面でまちづくりは進めてきております。この間、公共施設も始め民間施設や交通機関などにおけるバリアフリー化の整備、ユニバーサルデザインに配慮した製品の普及なども進んできております。また、そういった形だけではなくて、子どもたち、小中学校では、総合学習の場などでバリアフリーのまちづくりを取り上げるなどして、誰にも優しいまちづくりについての意識の醸成も図られてきている実績はあるというふうに考えております。 確かに、議員おっしゃられる10年たってということとハートビル法から入っていること、そういった流れという中で、今もう一度やはりその条例をしっかり見直すべきではないかということにつきましては、条例の中で設置されております誰にもやさしいまちづくり推進会議というものがございますが、その中でもソフト面の充実が必要であるのではないかということとか、例えば認知症の方に対する地域の理解や支えなど、新たな課題に直面しているのではないかという意見もいただいておりますので、さらには、この4月には、障害者差別解消法など、そういったものも制定されるなど、社会情勢の変化も踏まえまして、これまでの取り組みについて検証を行っております。 特に、施策の基本指針となっております誰にもやさしいまちづくり推進指針については、今ほど申し上げました推進会議での御意見なども踏まえて、現在見直しに取り組んでいるところでございます。おっしゃられるとおり、先ほど商工観光部長のほうからユニバーサルデザインのまちづくりということでもお話があったとおり、確かに少し出だしはハード的なところが先行しておったのかもしれませんが、それは住む人、お見えになる人、バリアのないまちというところがやはり基本にあったところからそうだったんですが、実際、今後は、ユニバーサルデザインとかインクルーシブなまちとか、いろいろ言いますけれども、心のほうでもやっぱりバリアがないということ、それから、誰にも優しいまちということを実現する上で、しっかりとこの条例のほうにまずは推進指針をしっかり検証、見直しを進める中で、条例のほうについても検討していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 中筬議員。 ◆10番(中筬博之君) 見直しに取り組んでいるという御発言もありました。誰にも優しいまちというのはすごく大きなテーマだと感じております。高山市は先進地ですから、もう一段高いステップを踏んでいただきたいなと思いますし、ある人が言っていました、誰にも優しいもいいけれども、誰もが優しいまちというのもいいのではないかと、そういう視点も大事ではないのかということです。 求められたことに、それはできないけれども、これならできるんだという、拒絶型ではなく提案型の優しい行政であっていただきたいということだけ申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、中筬議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 休憩します。     午前11時43分休憩  ――――――――◯――――――――     午後1時00分再開 ○副議長(倉田博之君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○副議長(倉田博之君) 次に、松山議員。   〔12番松山篤夫君登壇〕 ◆12番(松山篤夫君) 皆さん、お疲れさまでございます。 最初に、熊本地震の被災者の方の上に、慈しみと慰めとあすに向かって生きる希望と勇気が豊かに与えられますようにお祈りいたします。 最初に、通告に基づいて、大規模災害に対するリスクマネジメントについてお伺いさせていただきます。 『日本沈没』という小説を書いた小松左京氏は、初めて活断層の全国分布図を見たときの感想を、これじゃ、我々はひび焼きの陶器の上に住んでいるようなものじゃないかと話しています。まさに日本では、活断層の存在しない自治体など存在していないかのごとくです。 熊本地震は、日本が豊かな景観に恵まれた国であると同時に、命や財産の危機につながる自然災害が起きる国でもあるという現実を改めて突きつけました。 今回の内陸直下型地震は、対岸の火事ではありません。活断層は中央構造線だけではなく日本中にあり、わかっているだけで2,000、わかっていないものはその3倍以上もあるのではないかと指摘されています。 東日本大震災以降、地震活動期に入った日本列島全域が震災に備えなければならないと指摘する専門家が相次いでいます。 飛騨地方には少なくとも3つ、高山大原断層帯、跡津川断層帯、阿寺断層帯の3つの断層帯があり、それぞれが活断層に位置づけられております。市のハザードマップは、この3つの断層帯と南海トラフ巨大地震を想定してつくられており、南海トラフ巨大地震発生時には震度5強が予想されています。 記録によれば、1586年に阿寺断層帯で、1858年には跡津川断層帯で大地震が発生しております。飛騨地方も、次に大地震が起こるのは自分が住む地域かもしれないと思って備えること、危機管理システムの構築が重要課題です。 戦後、日本は、巨大地震や大噴火に遭わなかったおかげで復興に成功し、高度成長をなし遂げたが、幸せな時代は終わったという専門家もいます。 熊本地震は、熊本城を始め多くの歴史的構造物に深い爪跡を残しました。調査が進むにつれ、新たな被害が次々と確認されています。特に大きなショックを与えたのが、築城の名手、加藤清正がつくった熊本城の被害です。武者返しで知られる強固な石垣はあちこちで崩れ、崩れたのは計50か所以上に上り、全体の3割が積み直しが必要とのことです。天守閣の瓦の多くが落ち、400年前の創建とされるやぐらも石垣とともに全壊しました。国の重要文化財である長塀も約100メートルにわたって倒れ、市熊本城総合事務所の河田日出男所長は、壊滅状況だ、10年か20年か、とにかく復旧に長時間を要するのは間違いないと途方に暮れるとの報道です。重要文化財や史跡などの被害は300件を超えており、阿蘇神社も重要文化財の楼門は全壊、拝殿も潰れました。 「熊本地震、知事として」というタイトルで蒲島郁夫熊本県知事のインタビュー記事が新聞に出ておりました。記事の内容を少し紹介させていただきます。 地域経済への影響は甚大ですね。今後、どうやって経済再生をはかっていきますか。 熊本県は観光と農林水産業と中小企業が中心です。企業の99%は中小企業。だから、知事の専決処分の予算で被災された中小企業の融資枠を200億円追加するとともに、事業展開を後押しする制度も用意しています。また、農林漁業向けの融資枠も拡大しました。観光産業もやはり、今回相当な痛手を受けています。人が長く来ないと、とても大変なのです。あらゆる手段を使って、とにかく経済を再生しないといけない。阿蘇と熊本城は、熊本県の2大観光シンボルです。熊本の宝でもある熊本城が被災したことは、熊本県民にとってとてもショックです。私も率先してやりますが、政府の支援が必要ですとの記事です。 知事の復旧支援の要望を受けて、首相は、熊本城は熊本のシンボルであり、精神的な支柱、観光においても大変重要であり、熊本城の復旧が終わるまで震災復興は終わらないなどと報じ、城の早期復旧を後押しする考えを示しました。 震度7とはどんな揺れなのか。益城町の女性によれば、地面がぐるぐる回ったとの話です。 高山市の場合、大規模災害により重要伝統的建造物群等の観光資源が滅失した場合には、地域経済は大きなダメージを受けます。古い町並を始めとして、高山市内の観光資源はほとんど木造です。この点は、石垣とかしっくいの熊本城とは異なります。壊れた古い町並は、火災の可能性があります。燃えてしまったら修復のしようもなく、観光資源が消えてしまうことになります。倒壊した場合でもいろいろと問題が起きてくるでしょう。心のふるさと飛騨高山というイメージも喪失してしまいます。 市の経済において大きな役割を果たしているのが観光産業です。昨年の観光消費額は820億4,395万3,000円であり、経済波及総額は1,813億1,630万円となっています。 高山市の観光がだめになったときに、市は、市の経済をどのように運営、再生して立て直していくのでしょうか。リスクマネジメントとしての対応策をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。   〔12番松山篤夫君質問席へ移動〕 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 高山市は、広大な市域に多くの観光地を有しております。産業の重要な柱になっているというのもおっしゃるとおりでございます。大規模災害による観光資源の滅失は、地域経済に多大な影響を与えるものと推測いたしております。 市では、災害に強いまちづくりを進めるために、水害、土砂災害、地震、火山の噴火など、自然災害に備えた取り組みを行っているほか、関係機関や団体と連携いたしまして、広域防災体制や観光客の避難誘導体制の整備などにも努めているところでございます。 お話しのあります建造物の耐震対策に対する支援、あるいは自然環境の保全を通じながら、伝統的な建造物や温泉、景観といった自然環境を将来に向けて守る取り組みを計画的に進めるなど、地域の皆さんと一緒になって災害による被害を最小限に抑える仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。 さらに、より確かな経済産業基盤を確立するためにも、観光業の振興だけではなくて、飛騨牛や高冷地野菜や米を始めとする農林畜産業や、あるいは飛騨の匠に代表される物づくりのわざを生かした製造業など、さまざまな分野の飛騨高山ブランドを確立することも、大規模災害に対する地域経済のリスクマネジメントにつながるものでございます。 経済対策におきましては、観光、農業、工業に視点を置きながら、多面的、多角的な政策を進めてまいります。さらには、そのような被害に遭った場合におきましては、早急な復旧に努めて、一日も早い観光客の復帰といいますか、来高に努力するように努めさせていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 私が一番聞きたかったことは、また繰り返しになりますが、観光業が主要な産業の1つである市において、これが想定外にも壊滅状態になったときに市の経済をどうするのか、そういうことだったんですが、中越地震後に避難者への弁当づくりを担った仕出し屋店を経営し、現在、新潟県の水産物商業協同組合理事長も務めておられる佐藤正克さんという方がみえます。その方は、次のように語っておられます。 熊本のように強い地震が相次ぐと、もう何をしたらいいのかわからなくなるんですね。12年前、最大震度7の新潟県中越地震に襲われた私たちもそうでした。そこに市から相談が届いたんです。避難者に配る弁当を地元で何とかできないかと。組合長の私は、まずは仲間を集めて意見を聞こうと思いました。一軒一軒訪ねてみて驚いた。全壊や半壊が半分以上でしたから。後日、災害復旧の先生が弁当プロジェクトと名前をつけてくれました。そこで指摘され、改めて気がついたことがあります。震災に襲われると、地元経済は完全にとまってしまいます。一日も早く、もう一度動かないと復興につながらない。こんなことをおっしゃっています。一日一日不測事態への備えを積み上げていく、そのことが一番大切ではないかと思います。 次の質問に移らせていただきます。 次に、観光政策についてお伺いいたします。 観光のライフサイクルという段階論があり、英国サリー大のバトラー教授が、商品のライフサイクルを観光に採用しました。 まず、住民が資源を商品化することで観光地として発展します。それが知れ渡ることで、人々が押し寄せる成熟を迎えます。ここで許容量が噴出し、停滞に陥る、地元客が敬遠し始めます。また、ホテルの高騰も部屋不足も浮き彫りになります。ここからが正念場です。課題の解決策を打ち出し、それがうまくいけば再生に移行しますが、そうでなければ衰退への道をたどります。人口減対策と絡めた施策も重要かもしれません。目新しいイベントもいいでしょう。しかし、停滞に陥らないための仕掛けが必要です。 ここに意を用いなければいけません。解決策のヒントは、それぞれの地域にある当たり前の事象です。伝統と文化、里山、街並と景観、食と人、磨けばきらきら光る宝の山です。出発地ではなく到達地の側が提案する着地型観光です。自然、文化、街並が生活と共存しているからこそ観光需要を満たすのです。人口減少時代の観光戦略は、量より質へ向かうべきです。質が高まれば量もついてきます。すぐそばにある宝の山を見過ごすことなく、地域への誇りと愛着を取り戻すのがおもてなしの原点です。そこに旅行者が感動したとき、やがて移住、定住につながるのではないでしょうか。観光政策について質問させていただきます。 最初に、自然や文化に触れ歩くロングトレイルコースの設定について質問させていただきます。 自然や地域の文化などに触れながら長距離を歩くロングトレイルがリタイア世代や中高年女性グループの人気を集めています。国内にも18コースが設定され、快適に歩く環境が整い始めています。 本市の主なロングトレイルコースに塩の道80キロ、金沢トレイル70キロ、白山白川郷トレイル100キロ等があります。 塩の道、   〔パネルを示す〕これは塩の道の簡単なパネルですが、庶民の暮らしを支えた生活街道、路傍の石仏に道の険しさを見る、こんなことがここのキャッチフレーズに書いてありますが、この塩の道は、長野県小谷村を南北に貫くもので、古道の雰囲気が色濃く残されており、北アルプスの絶景や穏やかな農村、地域の歴史の3つが詰まっており、日本海から内陸部へ海産物や塩を馬や牛で運ぶために江戸時代から使われてきたものです。郷土の歴史を後世に伝えようと村の人が守ってきたものです。 市のブリ街道もまさにこの塩の道に匹敵する道であり、日本の原風景が残っており、路傍には石仏、ほこら、巨木、峠にまつわる民話や伝説など、生活史の跡や宗教民俗の世界がうずたかくある道ではないでしょうか。 ウォーキングブームを背景に、地域活性化に生かそうとコース設定する中山間地が多く、NPO法人日本ロングトレイル協会によると、協会に加盟しているのは全国18コースで、さらに20コース以上が設定を目指しているとのことです。学校行事や外国人観光客による徒歩旅行がふえており、特に信州の白馬村では、道を歩いているのは海外旅行客ばかりだ。彼らの姿勢のいいことという声が各所から聞こえてきます。 この風潮は信州だけではないような気がしますが、NPO法人日本ロングトレイル協会の話では、弁当やお土産の購入、ガイドの依頼、宿泊などで消費の拡大が見込めるとのことです。 ロングトレイルコース設定への市の今後の取り組みに対するお考えをお伺いさせていただきたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 清水商工観光部長。   〔商工観光部長清水孝司君登壇〕 ◎商工観光部長(清水孝司君) 自然や文化を楽しみながら山や街道を長距離にわたって歩くロングトレイルは、健康や自然志向の高まりによりまして、日本でも徐々に愛好者がふえております。 ただし、数十キロ、数百キロに及ぶトレイルを管理する技術的な課題ですとか、費用対効果の問題、時には民地を通るようなこともありまして、使用承諾でトラブルとなるようなケースも起きているというふうに聞いておるところでございます。 現在、市内には、自然や文化に触れることができ、どなたでも気軽に散策できる遊歩道や里山登山道、東海自然歩道、山岳地帯を縦走する登山コースなど多数ございます。それぞれの魅力を発信しながら誘客に努めているところでございます。 また、JR東海と連携し、さわやかウォーキングを毎年市内で開催するなど、ウォーキングブームに同調した取り組みも展開しているほか、今年度新たに地域が主体となって、位山を中心にトレイルランニングの大会も開催される予定でございます。 観光課においても、昨年度からロングトレイルの研究を始めさせていただいております。先ほど議員御紹介のありました塩の道、私も昨年歩いてまいりました。 そういうような中で、御提案をいただきましたブリ街道のロングトレイルのお話でございますけれども、関係する自治体が4つございます。かなり広範囲な街道でございますので、それらの自治体と今後研究をしたいと考えておるところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 道を歩くことで古い古の記憶が見えてきます。芭蕉は歩きに歩いてきた人です。芭蕉の書斎と思索は道の上にあったとも言われています。 屈曲の激しい部分を真っすぐにし、左右に松や柳を植え、道路の美観を重んじたのは織田信長です。我が国道路史上特筆すべき人物と信長は評価されています。当時の落書きには、世は地獄、道は道楽、人は鬼、身は濁り酒、絞り取らるる。道だけが極楽とは、風刺とは言え、世界に類がないと思います。 このようにも言われてきた道です。地域資源として活用し、歩く環境整備をさらに進めていただきたいと思います。 次に、ミニ小長安飛騨高山という視点からお伺いさせていただきます。 京都産業大学で中国経済論を教えておられる岑智偉教授によれば、母国中国からの旅行者は、学者も一般人も同様に、観光50%、買い物50%のタイムスケジュールで行動しているとのことですが、元や清の時代に失われた文化がそれを懸命に輸入した日本に残っているから、中国では、唐宋時代を見たければ日本へ行けと言われているそうです。和服を呉服とも言いますが、これは古代中国の呉の国から伝わった織り方でつくられた綾などの織物を呉服といったことに由来し、中国人観光客が舞妓の着物に引かれるのもそういった歴史をどこかに感じてのことではないでしょうか。 国府町の安国寺経蔵には、唐様素木造りの簡素な建物で、応永15年、1408年に建立されたものです。つくられたものですが、元の時代につくられた経本2,203巻がおさめられています。本元というお坊さんが海を渡り、中国にて元の時代につくられた経本を3年がかりで買い求めて持ち帰ったものです。 京都、奈良が中国では小長安と紹介され、長安の都市文化コピーであるならば、高山市をミニ小長安と紹介するのも、市の新たな魅力の創出につながると考えますが、市の御見解をお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) これまでもそうでしたけれども、現在も意識して飛騨高山として、国内外において誘客や物販の取り組みを行うとともに、飛騨高山ブランドの確立に努めておるところでございます。 今後も、ほかの地に例えることなく、飛騨高山という呼び名が国際的に認知されるよう積極的にプロモーションする姿勢には変わりありませんで、私どもとしましては、あらゆる機会で飛騨高山を前面に出して取り組みを行っていくこととしておりますので、ぜひ御理解のほどよろしくお願いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 市の基本ポリシーというか、そこはよく理解できます。 シルクロードとその一部が、2014年、長安―天山回廊の交易路網として世界遺産に登録されました。これに続こうと、韓国、日本へのルートの延伸や中国による海のシルクロードの登録を目指す動きが具体化しています。 日本においては、シルクロード経由でもたらされた聖域的色彩の濃厚な文物が奈良の正倉院に伝来していることから、奈良こそがシルクロードの終着点と考える学者が多いそうです。飛騨は、養老令で定められた飛騨工制度により、庸調を免除されました。何らかの形において、秦の始皇帝の帝国につながっているかもしれません。 そこのところには、歴史文化のロマンチシズムに包まれるような気もいたします。市の持つ文化がより小長安というような思いも、市の持つ文化がより重層的になるのではと思います。 ここにおつけになっているバッジのところにも、   〔実物を示す〕このバッジの中の英語はエンドレスディスカバリーと書いてありますけれども、いろんな思いを共有することも大切ではないかと思います。 次に、外国人観光客の座禅体験についてからお伺いさせていただきます。 座禅が中国から日本に本格的に伝わったのは、平安時代末期から鎌倉時代と言われております。アップル創業者のスティーブジョブズ氏が実践していたこともあり、若い人や外国人にも注目されています。座禅を山岡鉄舟は心の石けんと例えました。お坊さんたちだけではなく、ビジネスマンら一般の人たち、国の外へも愛好家が広がっているようです。静かに座す、精神を統一して深く呼吸をする。これまでどれだけ多くの人が悟りを求めて禅寺を訪れていることでしょう。夏目漱石もその1人です。   〔パネルを示す〕 これは、漱石がかつて訪れたことのある円覚寺の部屋です。27歳の漱石は、この鎌倉の円覚寺に参禅し、後年、『門』という小説でその静ひつな場所を紹介しています。 私もJCにいたとき、かつて古川町の林昌寺、国府町の安国寺にて座禅の宿泊体験をしたことがあります。心が洗われるすがすがしさを体験いたしました。 外国人観光客には、日本の文化に触れる貴重な体験になると思います。市には、臨済宗、曹洞宗のお寺もあります。座禅は、海外からのお客様の貴重な体験になると考えます。もっとPRしてはいかがでしょうか、どうでしょうか。市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) 今、議員さんが御指摘いただきましたように、座禅に代表される禅文化は、日本における精神修養や心の安静をあらわすものとして世界的に知られておりまして、例えば、フランスの高速鉄道においては、社内で静寂を求める乗客にZENというような客車が準備されているというふうにお伺いしております。 日本を訪れる外国人観光客も、さまざまな特徴に富んだ日本の精神文化に興味を持っておられる方が多くて、座禅体験を希望される方も大変多いということは認識しております。 そこで、外国人観光客向けの多言語ホームページにおいては、茶道、着物の着つけ、日本舞踊、弓道といった日本伝統文化を市内で体験できるメニューの1つとして座禅体験を紹介しておりまして、体験希望者も少なくないというふうに伺っております。 議員さんが御指摘いただきましたように、今後は、海外旅行の代理店でありますとか、あるいはメディア関係者などにもっと高山で座禅を体験していただけるようなことが取り上げてもらえるように積極的に働きかけるなど、PRを行ってまいります。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 次の質問に入ります。 ユネスコは、白山のエコパーク拡張登録をこの3月に決定しました。範囲拡張で、岐阜県では白川村、荘川町全域、郡上市高鷲町、白鳥町の一部が環境の保全と人の暮らしとの調和を図る移行地域に設定されました。 白山エコパーク協議会を構成する各自治体には、持続可能な地域社会の確立が求められます。 白川村の成原村長は、白山のすばらしい自然資源を活用し、地域発展の起爆剤としていきたいと。また、郡上市の日置市長は、関係市村で山村に住む人々の産業や暮らしのあり方を見直す機会にしたい。西倉良介副市長は、年間400万人が訪れる観光客へ広くPRしたいと抱負をそれぞれに語っておられます。 また、4月には、高山市の「飛騨匠の技こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―」の日本遺産登録が認定されました。白山エコパークの拡張登録と「飛騨匠の技こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―」の日本遺産登録というこの2つの地域資源を個々、ばらばらではなく、いかに連携させて地域の持つ魅力を厚みのあるものにすることが大切です。 この2つの地域資源をどのように連携させて、そして誘客へとつなげるのか、その戦略をお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 白山エコパークの拡張登録の決定、そして「飛騨匠の技こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―」日本遺産登録の認定について、御回答させていただきます。 ユネスコエコパークでございますが、ユネスコが認定する生物圏保存地域の通称でありまして、生態系の保全と持続可能な利活用の調和、つまり、人間と自然の共生を目指す地域ということでありまして、今回の拡張登録によりまして、荘川町全域が含まれたところでございます。 また、日本遺産でございますが、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本文化、また伝統を語るストーリー、そうしたものを文化庁が認定し、さらに、そうした魅力を活用することによって、地域活性化につなげようとするものでございます。 白山ユネスコエコパークの登録ですとか、また、日本遺産へ認定された各種の要素、一々申し上げはしませんが、それぞれに独自の魅力を有するものでして、それらの資源が歴史、文化に根差した継続的な地域の人々の営みによって支えられてきたことというものは、いずれの地域だけじゃなくて、高山市民全体にとっての財産であり、誇りであり、こうしたものを本当に市民のインナーブランディングにつなげていく必要があるというふうに考えております。 議員お話しのとおり、現在、その2つをどのように連携させて観光戦略をまとめていくかということについて、具体的なものは今持ってはおりませんが、自然と文化、そうしたものにつきましては、本当に飛騨高山の魅力の象徴であるというふうに認識しております。 今後、さまざまな場面、機会を捉えて、ストーリーをしっかりと紹介する中で、誘客につなげていきたいというふうに思っております。 またさらに、その2つの連携ですとか、そして新しい、新たな付加価値を見出すような取り組み、そうしたものについても、関係者と一緒になって協議してまいりたい、そのように捉えております。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 次の質問に移らせていただきます。 地場産品の販売戦略についてお伺いいたします。 ランドセルといえば、小学校入学を控えた子どもたちの憧れのアイテムです。このランドセル、海外でも人気を集めています。国内においては、少子化で売り上げが落ちてきているランドセルが、ここにきて、外国人旅行者、特に中華圏で人気のお土産としての地位を獲得してきており、欧米での人気も高まりを見せています。パリでは、ランドセルファッションショーも開かれるほどです。   〔パネルを示す〕 ちょっと写真がぼけていますけれども、これはパリでのランドセルショーの写真です。雰囲気をつかんでいただければありがたいと思います。 日本のランドセルは形がいい、丈夫、目立つとファッションの一部として使用され、欧米では大人のかばんとして愛用者が続出しています。海外のニュースサイトCNNは、ランドセルが日本を旅行した際のお土産として外国人旅行者のマストバイ、どうしても買わなきゃいけないマストバイのアイテムになっていると報道し、日本でも「NEWS ZERO」が、日本製のランドセルが外国人から人気を集めている様子を流しています。 中国での人気の理由として、香港の新聞は、日本のアニメが中国で非常に高い人気を得ており、そのアニメの中でよくランドセルが出てくるからだと見ています。このような海外市場ですが、今、飛騨牛の皮でつくったランドセルの人気がじわりと広がっています。 新聞報道によれば、牛の原皮を扱う高山市内のメーカーが2010年に発売、6年間で2.5倍に増加、昨年の秋は名古屋三越に初進出、発売当初は売り上げが年間80個であったが、昨年は200個にふえたとのことです。さらに、飛騨牛のブランド力のおかげ、皮も子どもの肌のようにやわらかできめ細かいとの発売会社の会長と、興味を持って手にとるお客様が多い、売れ行きもまずまずとのデパート側の担当者の談話も掲載されています。 ランドセルに使われる原皮は、飛騨牛の処理施設を運営するJA飛騨ミートから仕入れ、愛知県の業者と連携し、製造されます。色も7色あります。飛騨牛のランドセルを、今後、飛騨高山ブランドとして育てるマーケティング戦略というのをどう考えておられるのか、その辺のところをお伺いさせていただきたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) ただいま議員が御紹介いただきましたとおり、ランドセルは、海外でも、そのデザインや機能性が注目されまして、飛騨牛のランドセルにつきましても、年を追うごとに人気が高まりつつあるということは認識しております。 飛騨牛は、飛騨高山ブランドを構築する重要な要素の1つとして捉えておりますけれども、これは、今さら私が申し上げることでもないんですが、これまで生産や販売にかかわってこられた方々の御努力によるところが大きくて、高級和牛として選ばれて食されているところでございます。 今後は、民間の事業者の皆様と地場産品の高付加価値化や地域資源の開発といった、そういった取り組みを強化してまいりたいと考えておりますが、飛騨牛のランドセルについては、飛騨牛そのものとは別の付加価値のある商品として魅力があるというふうに考えておりますので、さまざまな機会を捉えてPRしてまいります。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 積極的なブランド品として育てて、積極的な販売戦略を考えていただく、そのことに期待したいと思います。 次に、東京五輪パラリンピックへの地場産品の売り込みについてお伺いさせていただきます。 各自治体は、2020年東京五輪パラリンピックを地場産品の商機と意気込んでいます。売り込みに自治体の熱が上がっているようです。競技場に使用する国産材の売り込みが熱を帯びたり、和紙や漆器など特産品の日本らしさを強調し、五輪グッズとしての採用を目指す動きがあります。 新国立競技場の屋根や内装の木材は、第三者機関の森林認証制度で適切に管理されていると認められた国内の森林から調達する方針で、浜松市は、大会組織委員会や東京都などに品質が確かな地元の杉材を新国立の屋根材にと陳情、北海道大樹町は唐松、奈良県黒滝村はヒノキ、徳島県那賀町は杉の木粉を使った加工材を売り込んでいると伝えられています。岐阜県の美濃市は、チケットや表彰状に美濃和紙をとアピールしています。輪島市は、選手団のバッジに輪島塗の採用を目指し、試作品を用意、愛媛県の西予市は、地場産の生糸をユニフォームの国旗部分に使えないかと提案中だそうです。金属洋食器の生産全国一の新潟県燕市は、選手村の食事にプラスチック食器では味気ないと、スプーンなどの提供を検討中、山形市は、伝統工芸の山形鋳物を聖火台やメダルに活用したいと訴えています。 このように、各自治体の地場産品の売り込みが活発化しているようです。先日の伊勢志摩サミットで各国首脳が座った円卓をつくったのは市の木工メーカーでした。飛騨の匠の技術が認められたあかしです。 飛騨の伝統工芸技術を生かした東京五輪グッズ等への製造、販売への取り組みのお考えをお伺いさせていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) まず、先般開催されました伊勢志摩サミットにおきましては、飛騨高山の地場産品を取り扱っていただけるように、東京事務所や外務省への派遣職員を通して働きかけを行いましたけれども、開催地が三重県であったという地域性もございまして、残念ながら実現には至りませんでした。 ただ、議員さん御紹介のように、サミットでは、市内の事業者さんが製造した円卓テーブル、あるいは椅子の肘かけとか背もたれも使われたということでございます。 東京オリンピックパラリンピックにつきましては、全世界を巻き込んだスポーツの祭典でありまして、そこで地場産品が取り扱われるということになれば、開催中は言うまでもなく、開催後もアピール効果は大きいというふうに考えております。 今後、東京事務所を中心に、東京オリンピックパラリンピックにおいて、飛騨の伝統技術が生かされるような可能性を調査するとともに、関係機関に働きかけを行いまして、飛騨高山の技術や産品が取り扱われるよう積極的に売り込んでまいります。 ○副議長(倉田博之君) 松山議員。 ◆12番(松山篤夫君) 地場産品の積極的な売り込みに期待をかけたいと思います。 一般質問の準備をしているときに、最後になりますが、本で小泉八雲の思いに触れることができました。今こそ小泉八雲、ラフカディオハーンと言われていることを知りました。 19世紀後半から20世紀初頭は、欧米が帝国主義へとなだれ込んでいった時代です。ですが、八雲は、上から目線で見るのではなく、庶民の内側から入り、生活の中の音や声にじっと耳を澄ませました。日本人が経験した自然災害にも強い関心を寄せ、TUNAMI(津波)という言葉を海外に伝えました。彼は、揺れ動く大地によって、日本人の自制心や忍耐力、他者への思いやりは培われたと考えました。人間は、知識よりも幻想に頼る存在と『日本の面影』という本に書いています。 目に見えない力への共感力でしょうか。異文化への寛容の精神や自然との共生がより問われているだけに、八雲の精神から学ぶべきことは多いのではないでしょうか。 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○副議長(倉田博之君) 以上をもって、松山議員の質問を終わります。 次に、谷澤議員。   〔22番谷澤政司君登壇〕 ◆22番(谷澤政司君) それでは、1番の荘川町のまちづくりと白山ユネスコパークについて入ります。 まず、質問に入る前に少し触れますが、高山市議会では議会改革に取り組んでおりまして、毎年11月ごろ、各地区において住民との意見交換会を開催し、住民から意見を聞く場を設けています。 そこで、昨年11月に荘川町で開催しましたところ、住民から、人口減少が進んでおり、荘川町の将来が心配であることに対し、議員はどのように考えているのかとの意見がありましたので、私は次のように発言をしました。 荘川町は、高山市全地区の中で、国による高速自動車道路の整備が進んでおりますことで、名古屋、大阪、金沢など都会との利便性がよいことから、荘川町の豊かな自然環境やお寺、神社などの貴重な歴史的文化を生かした観光資源が豊富なことでありますので、それらを活用した観光客誘致に町の住民こぞって取り組むことで観光産業が盛んになれば、若者の雇用創出もでき、経済もよくなるので、皆さんで力を合わせていきましょうと申し上げました。 また、今回の質問に先立っては、地元の荘川地区のまちづくり協議会、荘川町観光協会、荘川町住民に長年心豊かに生きることに貢献されている寺族様など、主な関係者とも意見交換をしましたら、議会で荘川町の課題をぜひ取り上げてくださいと言われました。 現在、高山市では、協働のまちづくり協議会を進めており、その目的であります誰もが住みたくなるまちづくりとの観点からも大切な質問内容であると思います。 そこで市長に伺いますが、荘川町住民皆さんのことを大切に思い、将来に向けたまちづくりで質問に入ります。 ①荘川町は、名古屋、大阪、金沢からの利便性がよい、白山ユネスコパークなどを活用した誘客活動に取り組む考えをお伺いいたします。   〔22番谷澤政司君質問席へ移動〕 ○副議長(倉田博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 日本一面積が広い高山市には、自然や伝統文化など魅力的な観光資源がたくさんございます。その中でも、荘川地域は、名古屋、大阪方面から、また、北陸方面からも東海北陸自動車道を利用されて高山を訪れる観光客の皆さん方の西の玄関口にも当たっております。 この荘川地域には、春の荘川桜や秋に神社で奉納される地芝居、温泉、荘川そばのほか、四季を通じてのゴルフやスキー、渓流釣りなどのアウトドアスポーツを楽しむことができまして、魅力的な観光資源が多くある地域であります。 また、全トヨタ労働組合連合会との交流が24年前から続けられておりまして、四季を通じて地域の魅力を発信する誘客活動によりまして、多くの組合員の方々に荘川地域に訪ねていただいているところでございます。 今回、白山ユネスコエコパークの拡張登録に当たりまして、荘川町を訪れられましたユネスコ本部のノエリンさんは、景観だけでなく、地域のつながりや人々の郷土に対する強い思いがこの荘川町にあり、本当にすばらしいところだというふうに評価をされたお言葉を聞きました。 認定地域に荘川地域全域が含まれたことで、荘川地域の魅力を発信する観光資源がさらに充実したものと考えております。荘川を出入り口とした高山市内での周遊型の観光PRや、白山ユネスコエコパークに関連する4県7市村の自治体との連携による広域的な誘客により一層努めてまいります。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入ります。 白山ユネスコパークについてですが、正式名としては生物圏保存地域でありまして、1976年にユネスコが開始され、1980年に群馬県、長野県の志賀高原、鹿児島県の屋久島などと一緒に、石川県、岐阜県、富山県、福井県の4県にまたがる白山が登録されました。しかし、平成7年、白山ユネスコパークの登録要件に経済と社会の発展が追加され、その機能を果たす移行地域の設定が求められたことから、白山ユネスコパークでは、エリアに含まれている、岐阜県は高山市、郡上市、白川村、富山県南砺市、石川県白山市、福井県大野市、勝山市の4県7市村が連携し、移行地域を新たに設定する拡張登録の申請に取り組んでまいり、一昨年2014年に国内手続に着手し、昨年9月にユネスコに申請書を提出しましたところ、ことし3月に拡張登録が承認されました。現在は、国内では7か所が登録されております。 その拡張地域としての高山市荘川町においては全域が対象地域になりまして、具体的に申し上げますと、核心地域には荘川町尾上郷及び同地区の国有林、緩衝地域には尾上郷と野々俣国有林、移行地域としては今言いました以外の荘川町全域であります。 そこで、地元の関係者から申されましたこととしてですが、白山ユネスコパーク対象地域4県7市村のうち、荘川町は登山道がないことから、白山に登る人たちは荘川町に来ないことと、ことしから8月11日は山の日に制定されているので、山登りに関心を持たれる人たちは多くなることが予想され、同時に観光的にも滞在されますことも期待すると言われています。私もそのことに積極的に取り組まれることも必要と思います。 そこでお聞きしますが、2番、白山ユネスコパーク対象地区4県7市村のうち、荘川町からの登山道開設に向けて、県や環境省などと協議を進める考えをお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 浦谷環境政策部長。   〔環境政策部長浦谷公平君登壇〕 ◎環境政策部長(浦谷公平君) 白山ユネスコエコパークにつきましては、関係する4県7市村による協議会において、荘川町を含む移行地域を新たに追加する拡張申請に取り組み、平成28年3月にユネスコの承認をいただいたところです。 白山への登山道整備につきましては、今回の拡張登録を契機に地域などで話題に上がっていることは認識しております。白山一帯は国立公園に指定されているほか、林野庁の森林生態系保護地域にも指定されており、登山道の整備に当たっては、環境省や林野庁との協議が必要になってまいります。また、協議を行うためには、登山道を整備するルートの設定やルート上の動植物の調査、土地所有者との調整、事業計画の策定など、さまざまな調整が必要となります。 このような点を踏まえまして、今後、登山道の整備や管理のあり方について、地域の方々の思いも確認する中で、その必要性や方向性を見きわめてまいりたいと考えております。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 次に入りますが、先ほども少し言いましたように、荘川町には標高約1,200メートルのダナ高原があり、この高原からは白山の全景色が眺望できることと、高冷地野菜及びソバの生産、販売拡大にも取り組みができますこと、周りの山やきれいな水で有名な庄川、御母衣ダムによる御母衣湖は景観もスケールも大きく、また、500年余り歴史ある荘川桜など、荘川町は恵まれた自然環境などすばらしく、高山市においても総合的にトップクラスであると思うものであります。それらを地域の活性化へつなげることに行政とともに住民も取り組むことが求められていることと思います。 そこで荘川支所長に聞きますが、3番のダナ高原、御母衣湖、お寺や神社の伝統行事など、豊かな自然環境や歴史的文化を生かした自然と人との共生を図る国際的なモデル地域として荘川町の魅力を上げるなど、さらなる取り組みについてお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 田中荘川支所長。   〔荘川支所長田中裕君登壇〕 ◎荘川支所長(田中裕君) 荘川町の今後の取り組みについて御質問いただきました。 荘川地域は、議員御紹介いただきましたとおり、白山連峰も飛騨山脈も一望できる標高1,200メートルのダナ高原を始め、荘川桜を含む御母衣湖の景観など、白山を取り巻く自然環境、また、3つの神社で行われている地芝居や、8つの神社の獅子舞が一堂に会して行われる日本一の連獅子といった伝統行事など、白山信仰の歴史や多様な自然体系、歴史的文化と文化財など、多くの魅力的な資源を持つ地域であります。 しかしながら、昨今は、高齢化と人口減少により担い手が不足し、伝統行事などを始め、さまざまな地域資源を将来にわたって保存、継承していけるかという不安を地域に住む皆さんが感じられているのも現状であります。 今回、白山ユネスコエコパークへの拡張登録を契機に、4県7市村で構成する白山ユネスコエコパーク協議会の活動と協調し、荘川町まちづくり協議会が中心となってさまざまな地域資源の活用を図るものでありますが、あわせて大学連携などの手法を積極的に取り入れること、保小中連携による持続可能な開発のための教育、郷土教育に地域としてかかわりを継続することで、交流人口の増加と次世代の育成に努め、ユネスコエコパークの目的でもある自然と人が調和し、共生できる地域づくりを行い、住む人にとっても、訪れる人にとっても魅力ある荘川町となるようこれまで以上に努めてまいります。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) では、次の質問に入ります。 2番の大島ダムの整備による災害に強いまちづくりについてです。 私は、これまでも大島ダムについては、住民の安全対策の視点から数回質問をしてきました。近年では、平成26年に大島ダムについて質問しましたところ、所管の県からは、平成21年に国のダム検証の対象とされたことから、国の定めた基準に沿って今後計画を詳細に点検するとともに、護岸改修を含む複数の治水対策を立案し、さまざまな評価軸で評価を行い、方針を決定し、治水対策に向かっていきたいと考えていると県から伺っているところでございますと答弁されました。 そこで、今回は、特に下流地区でも大きな面積がありまして、地区住民の安全対策の必要性から、大八地区まちづくり協議会から本年度の重要な要望に挙げられていますことと、さらに、下流地区の斐太高校体育館は指定避難所でありますことから、今回の大島ダムの質問は重要課題でありまして、早期に整備されますことを願って質問に入ります。 そこでお聞きしますが、1番、大島ダムは30年前から計画されている、平成21年度、国のダム検証の対象になったが、検証結果とその後の進捗状況はどのように進んでいますか、お伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 大島ダムの検証につきましては、岐阜県に確認しましたところ、平成26年3月に改正されました宮川流域における総合的な治水対策プランにおきまして、次期短期計画、これはおおむね10年でございますが、に位置づけられており、予断を持たずに検証を行うというふうに伺っております。したがいまして、検証結果につきましては現時点では出ておりませんので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) このことにつきましては、それ以上は聞きにくいので聞きませんが、どうかよろしくお願いいたします。 次に入りますが、大島ダムの建設事業については、地域住民は3年以上前から聞かされています。しかし、進まないのが現状であります。県においては、平成27年度末で総事業費約420億円で郡上市の内ヶ谷ダムの進捗率が52%となっており、いよいよ本年度よりダム本体工事などに取りかかることが示されています。 高山市においては、当時同じく進められていました丹生川ダムは既に完成しておりますので、本格的に大島ダムの建設推進に積極的に取り組まれることが下流域の大八地区まちづくり協議会から重要課題として取り上げられていますことと、高山市第八次総合計画においても、大島ダム建設促進が挙げられていることであります。 そこで再度お聞きしますが、2番の岐阜県において、本年は郡上市内の内ヶ谷ダムの本体工事に着工する、早急に大島ダム建設に向け取り組む考えをお伺いいたしたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 大島ダムにつきましては、国のダム検証の対象とされましたことから、国の定めた基準に沿って計画を詳細に点検するとともに、複数の治水対策を立案し、さまざまな評価軸で評価を行い、整備方針を決定すると伺っております。 市としましては、現在、大八賀川の治水対策を行う上で、ダム建設は最も効果的な整備であると考えております。今後は、早期に大島ダムの検証を実施していただき、大八賀川の治水事業が促進されますよう県へ要望してまいります。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) ありがとうございました。 ただいまの答弁は、住民の方も聞いておると思います、このテレビ中継を。 次に入りますが、これまでも私から大島ダム建設とあわせて大八賀川の護岸整備も進まなく、住民の安全対策が思うように進んでいないとの質問をしましたら、所管の県からは、ダムを建設するから護岸整備は進まないとの回答がされていました。この件については、大島ダム建設と関係がありますので、早急に大島ダム建設とあわせて、大八賀川の護岸整備におきましても早急に進めていただき、下流域住民の安全対策に取り組むことを願っております。 そこで、3番になりますが、お聞きします。下流域住民への安全対策の考えをお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 大八賀川下流域の治水対策につきましては、大島ダムの検証の中で、大八賀川下流域を含めた全体的な検討が必要であるというふうに県から伺っております。 これまで県によりまして、宮川本流の治水対策といたしまして、昨年度までに大八賀川の合流点から下流、いわゆる松本橋を含めた下流におきまして、河床掘削による河川改修工事を実施していただいておるところでございます。 この整備によりまして、宮川本流の流下能力が上がり、大八賀川合流点から斐太高校グラウンド付近までの水位の上昇も緩和されておるところでございます。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) ただいまの答弁では、私も以前の質問で聞いております。本当にどうかそれを早く進めていただきたいと思っております、まだまだありますので。 それでは、次、3番、通学生や児童の安全対策について。 中心市街地の市立西小学校と隣接の総和保育園は、道路整備も進められているとともに、高山市の支所地区も含めた宮川川東方面から市民らが市役所や周りの事業所等へ通うことと、観光客らも年々増加傾向でありますことから、交通量が大変多くなっています。そのことから、西小学校や総和保育園に通う子どもたちや地域住民の高齢者たちに交通事故が発生すると、観光地高山市のイメージダウンにもつながることであります。 以上、申し上げましたことは、地域住民から私に相談を受けております。 そこでお聞きしますが、1番、西小学校、総和保育園のスクールゾーンである玄関南側道路において、速度を上げて走る車両が多い、速度を落とすなど児童の安全対策の考えをお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 議員御指摘の道路は、市営駐車場の利用者やホテルの観光客の方々などが古い町並へ向かう道路として利用がふえております。その道路の工事を実施しましたときに、地域の方々と十分な協議を行い、速度を抑制する効果がある道路形状としたところでございます。 具体的には、西小学校、総和保育園の玄関付近で湾曲した線形を残すことや、車道にセンターラインを引かないことによる速度の抑制など、小学校や保育園の周辺であることを考慮して、特に交通安全を重視した整備を行いました。 しかしながら、当時と比較しまして、観光客の大幅な増加に伴い、交通量もふえていることも認識しております。西小学校周辺はスクールゾーンで、制限速度は時速30キロと決まっておりますが、制限速度のより一層の周知のため、今後も通行車両の状況を注視しながら、道路標示や看板の設置などについて、県公安委員会とも相談して早期に取り組んでまいります。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) では、次に入りますが、同じく西小学校のプール周りのコンクリート壁についてですが、私は、市役所へ通う道路として、主にそのプール北側の道路を通っていますことから、今回は、数年前からプールについて思っていることを申し上げます。 このところ、全国各地において地震などで大きな災害が発生しています。こうした状況の中で、西小学校プール周りのコンクリート壁を見ておりまして、老朽化が進んでおり、亀裂が数か所入り、万が一倒れたら子どもや通行中の人たちに危険な状況になることと思うものであります。 そこでお聞きしますが、2番の道路に面する西小学校プール周りのコンクリート壁に亀裂が入っている、地震発生などによる災害が懸念される中、緊急に子どもたち及び通行人の安全対策を講じる考えをお伺いいたしたいと思います。 ○副議長(倉田博之君) 井口教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長井口智人君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(井口智人君) 西小学校のプールにつきましては、昭和35年に建設しました施設でございまして、これまでも改修工事を行いながら安全に使用してきているところでございます。 プール周りのコンクリート壁につきましては、議員御指摘のように、近年老朽化が進み、亀裂が見えましたことから、今年度の予算に改修工事費を計上しているところでございます。 改修工事につきましては、延長約50メートルのコンクリート壁を撤去し、新たな目隠しフェンスの設置を行うため工期を要することから、今シーズンのプール終了後、速やかに改修工事を行い、安全対策を講じる計画で進めております。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) ただいまの答弁、ありがとうございました。子どもたちの保護者も喜んでいることと思っております。 次に入りますが、県立斐太高等学校についてですが、ことしで創立130周年を迎えまして、これまで卒業された生徒さんの中からは、国の大臣、高山市長、副市長など、歴史的に活躍されてみえ、社会的にも大きく貢献されておられます。 現在の現役学生さんたちも、高山市を始め、全国的にさまざまな社会の将来を担う皆さんであります。そのことを大切に心に持ち、質問に入ります。 学校前の合崎橋の新しい架け替え工事は、2年前の2月28日に完成し、開通しました。翌日には、伝統行事で有名であり、毎年多くのテレビニュースなど、マスコミ関係者が取材され、全国放送されています白線流しが行われました。 また、これまでも質問で取り上げますときは、まず自分の目で現地を確かめることが議員として大事なことでありますことから、今回も学生たちの通学時の安全を願い、何回も朝の通学生が通う時間帯に現地へ行き、学生たちや通勤などで利用する車両の走行状況を見ました。スクールゾーンでありますことから、時速30キロの交通標識がありますが、中には、およそ時速60キロくらいで急いで走行している車両も多く見まして、危険性を察知し、早期に安全対策に講じる必要性を思いました。 さて、以前の古い橋は、大新町側から橋を渡ると左へ直角に曲がり、松本町側へ行きますことで速度を落として徐行していましたが、現在の新設合崎橋は、時代に対応された整備で斜めに川を渡っていますことから、速度を上げて走る車も多くなりました。また、この区間内の合崎橋手前には道路を横断する箇所があり、朝の通学状況を見ておりましたところ、約830名余りの学生のうち、多くの学生はこの道路を通学されておりまして、学校が始まる8時前には、自転車と歩く学生がかなり集中して通っております。 さて、一方では、現在工事を進めています大新町側の旧久美愛病院跡地横の通学になる道路は、車道幅員や歩道幅員も広くなり、道路西側の側溝もふたつき工事を進めていますことで、改めて斐太高校の教職員や学生さんたち及び地元住民を代表して高く評価させていただき、厚く御礼を申し上げるものでございます。 それでは、③の質問に入りますが、斐太高校前の合崎橋から大新町県道交差点までの道路においては、速度を上げて走る車両が多い、通学生の安全対策への考えをお伺いいたします。 ○副議長(倉田博之君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) この道路は、朝夕の斐太高校の生徒の徒歩や自転車での通学に利用されており、現在、歩行者と自転車に配慮した広い歩道となるよう道路の改良を行っているところでございます。合崎橋まで本工事が完成しますと、全線広い自転車歩行者道が整備されますので、歩行者や自転車の安全の確保につきましては十分確保される予定でございます。 しかしながら、議員おっしゃられる合崎橋左側、左岸側とこの道路の未整備区間との取りつけ部分につきましては、まだ工事が完了していないため、歩行者と自転車が混雑しています。事業の進捗とあわせた対策が必要であるというふうに認識しております。 橋りょう照明や歩行者に対する注意喚起の標識の設置など、今後も地元町内会や県公安委員会と連携しながら、利用者の安全確保に早期に取り組んでまいります。 ○副議長(倉田博之君) 谷澤議員。 ◆22番(谷澤政司君) 今回の質問に対しましては、市長さん始め部長さんたちからは大変よい答弁もいただきました。そのことに対し大変評価させていただき、私の質問を終わります。 ○副議長(倉田博之君) 以上をもって、谷澤議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(倉田博之君) 休憩します。     午後2時26分休憩  ――――――――◯――――――――     午後2時40分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、岩垣議員。   〔9番岩垣和彦君登壇〕 ◆9番(岩垣和彦君) それでは、早速、通告に基づきまして質問をさせていただきます。 まず、1点目、市内における貧困実態と対応についてということで通告をさせていただいております。まず、1と2をあわせて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、①でありますが、近年、市民所得、給与所得者、市民全体、年齢区分別、ひとり親世帯ではどのように推移をしているかということで通告をさせていただいております。 2007年に起きましたリーマンショック後の景気後退、さらには、相次いで発生をいたします自然災害などの影響によりまして、経済環境は極めて厳しい状況が続いています。あわせて、人口減少や少子高齢化によりまして、地域の過疎化、さらには空洞化、地域コミュニティーの機能低下など、国内消費の減少とあわせて、反対に社会保障費の増加など、我々の暮らしや社会に大きな影響を及ぼしております。 これらの環境が続く中で、全国的に貧困や格差の問題が叫ばれるようになりまして、年金支給額の減少、独居高齢者の増加、給与所得の減少や非正規化に伴う賃金の低下から子どもの貧困問題が発生をいたしまして、さらには、若年層の年収が低いことによる結婚をしない非婚化が目立ち始め、さらには、そのことを理由にする離婚の増加、また、ひとり親家庭が増加するなど、今から40年前では考えられなかったことがあらゆる場面で起きている時代背景となってまいりました。 そこで、市民の所得がどのように推移をしているのかを把握せずにこの問題を論ずることはできません。 高山市では、以前から、所得の200万円以下の市民が圧倒的に多く、納税義務者の8割近くが今でも200万円以下だと把握をしております。 なお、勤労者の給与収入の平均値を見れば、給与収入が300万円から500万円以下と、200万円から300万円の層で全体の5割以上を占めているのが実態であります。 そこで、近年の給与所得者の収入及び市民所得、また、年齢階層別、ひとり親家庭の状況をお聞かせください。 次に、日本国民の貧困率は16.1%とされておりますけれども、高山市の実態はということで通告をしております。 低年金の高齢者に、今、現金3万円を配ります臨時福祉給付金の支給がピークを迎えております。これは、賃上げの影響で影響が及びにくい高齢者の生活支援が目的とされておりまして、そこにはさまざまな議論はありますが、実際には、高齢者の中で既に格差が生じている実態から、こういった臨時福祉給付金の制度が成り立ったということも一方にはあります。 日本における貧困率、これはOECDが2011年に調査をしておりますけれども、加盟国34か国中、日本は6番目に高い数字であります。貧困の定義といたしましては、1人世帯の場合は所得が年125万円未満、2人世帯では年170万円未満、3人世帯では210万円未満、4人世帯でありますと245万円未満が貧困のラインというふうに定義をされております。 中でも、高齢者、65歳以上の貧困率は22%と言われまして、4人から5人に1人は貧困になっているというデータが内閣府も示しております。 また、介護や医療支援を受けるのをきっかけに、中間層まで生活困窮に陥っている事例が増加をし続けております。高齢者層では特に顕著でありまして、単身高齢男性の場合は38%、単身高齢女性の場合でありますと、52%が貧困状態であるというふうに示されておりまして、この数値は特に地方に行くほど高い数値になっていると言われております。現代の経済や社会環境では、高齢期は誰もが貧困に陥る可能性があることを示唆しております。 そこで、高山市の状況はどうなっているのか、貧困ということで状況把握はしておられないというふうに思っておりますけれども、どのような見解を持っておられるのか、まず最初に伺います。   〔9番岩垣和彦君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 初めに、ちょっとお断りをしなければならないんですけれども、高山市において、給与実態の細かな調査というのは行われておりません、市独自で。そのために、先ほどお話しになられた所得がどういうふうに平均であるのかということについて、明確な市としての数字は持っておりません。 そこで、我々が今承知いたしておりますのは、岐阜県が調査を行いました岐阜県の市町村民経済計算結果というものしかちょっとデータを持っておりませんので、お許しいただきたいと思いますが、それによりますと、高山市では、平成23年度が約253万円、それから平成24年度が254万円、平成25年度が257万円というような結果を頂戴しておりまして、県内では決して高いほうではないということであります。 また、同様に、年齢区分別やひとり親世帯としての集計もしておりません。ひとり親の低所得世帯等を対象とした児童扶養手当の受給者数から見ますと、ここ5年間、若干の増減はあるものの、平成23年度786人から平成27年度746人と減少傾向があるということは承知をしているところでございます。 したがいまして、お話がありましたように、貧困格差の解消というのは、これはどこの自治体においても今日的な課題であります。そして、使命でもあると思っています。そういう意味において、市民の実態を把握するということは大切なことでありますので、どういう方法がいいのか、含めまして、少しお時間をいただきたいというふうに思います。 次の国民の貧困率でございますが、どういう方法でということでありますけど、同様に、高山市のみでの数値というものは発表されておりませんので、実態としてはわからない状況であります。その意味におきましても、先ほどお話しいただいたように、少し我々として、どういう捉え方をしたらいいかということを内部協議させていただく時間をいただければと思っています。 生活保護を受給する高齢者世帯でちょっと捉えてみますと、平成23年度に125世帯でございましたけれども、平成27年度は149世帯までふえているということでありますので、高齢者世帯では生活が困難な世帯が増加しているという感触は持っているところであります。全体を含めまして、今後の市としての対応策、どういうふうにしたらいいのか実態をつかんで、それからどういう対策をしていくのがいいかということについて、私どもも少し真剣に、前向きに取り組ませていただきます。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 正確な数値がないということは、私も承知をしております。ただ、一応課税をベースにした市民の所得ベースにすると、先ほど申し上げましたけれども、現実には、所得が200万円以下の層が圧倒的に多いというのが、これは今始まったことではないと思いますけど、そういう実態だと私は認識をしております。 ただ、これ、納税義務者の中での数字でありますので、年少人口とか、高校生の皆さんとか、学生の皆さん、それから生活保護を受給してみえる方々を除く、納税義務者でないけれども、結局住まわれておる方の収入がどれだけなのかというのを把握されていない、そのことが次につながってくる、下流老人というような形につながってくるんだと私は考えているので、ぜひともそういう実態が、やはり見れば見るほど、やはり対策というのが必要なことが私は如実にわかってくるんだと思いますので、ぜひとも早急にそういった取り組みを進めていただきたいというふうに思います。 それから、次の質問でありますが、下流老人に導かないために、高齢者の収入対策をどう構築するかということであります。 最近、下流老人という言葉が流行語になりましたけれども、下流老人とは、生活保護は受けていないけれども、生活保護基準で暮らす高齢者及びそのおそれのある高齢者のことを指しております。 現在、先ほどもありましたけれども、市内で生活保護の適用を受けているのが、これは平成26年の数字でありますが、298世帯368人が対象と、保護率は4.05%、全国の平均で見ると17.1%というふうに言われておりますから、大幅に下回っております。ただ、実態は、高齢者、生活保護を受けている中でも、高齢者がその50%、障がい者世帯が約4割、残りが母子世帯などというふうに区分けをされますが、ただ、最も大事なことは、やはり下流老人になるおそれのある高齢者をふやさないこと、これが大きな大前提でありまして、そういう方々が、全国では現在、そういう高齢者が700万人いるというようなことも言われておりますし、今後もふえ続けるだろうというふうに言われます。その要因として、高齢者の雇用問題がやはり大きく関与しているんだろうというふうに思います。 ことしの1月でありますが、長野県で、軽井沢で発生しましたスキーバスの事故でありますが、この背景にも高齢者の雇用問題が潜んでいるというふうに考えます。高齢者が置かれている環境といたしましては、やはりまず、年金が少ないために働かざるを得ない、それから、最低賃金が低いために苛酷な状況で働く高齢者がふえている、それから、健康や心身に不安を抱えていても働かざるを得ない人々がふえている、それから、高齢者に配慮する職場がなかなか現状では少ない、それから、働く環境やそういったサービスや質の安全が劣化をしているなどが挙げられております。 結局、高齢者の雇用の充実と環境改善の必要性が求められているわけでありまして、これらから、下流老人に陥る環境が、3つの点が考えられるというふうに言われます。 1つは、先ほども言いましたけれども、収入が少ない。当然、低年金や無年金、それから、今、会社を40年間務められて退職をされて、1年の平均年収が450万円近くあった方々でも、受給できる年金というのは月々に16万円ほどなんです。そういったことを、やはり非常にそういう方々がふえているというので、そういう方が下流老人の予備軍になってしまう、こういうところもあります。 それから、2つ目には、十分な貯蓄がないということであります。これも、国民生活基礎調査の中では、高齢者世帯の平均貯蓄が全国的に約1,200万円あるというふうな言われ方をしておりますけれども、実際には、貯蓄なしの世帯が16%以上ある、それから、4割以上の世帯で貯蓄額が500万円未満、そんな状況です。仮に、65歳、定年退職をした時点で、たとえ300万円の貯蓄があったとしても、大体今の、入ってくるほう、収入と支出の乖離がありますから、当然生活するには、平均ですけれども、6万円ぐらい足らないんですよ、毎月。そうしますと、4年くらいで300万円の貯金なんていうものはあっという間になくなってしまう、こういったことが挙げられています。 また、3つ目には、頼れる人がいない。ひとりで、やはり独居の方がふえている、こういったところもあります。高山でも、平成27年の数字でありますが、65歳以上人口が2万7,300人ほどおみえになりますけれども、施設の入所者を除いて、男性が1,309人、女性が3,511人で、4,820人がひとり暮らしの高齢者、大体17.6%の率でありますけれども、こういったことは国の統計とほぼ同じですよ、約5人に1人がひとり暮らしの高齢者、こういったことが言えます。いわゆる下流老人はセーフティーネットの対象にならない状態の人でありますけれども、一度落ちると自力では解決が困難である、社会問題として、私は対策を講じる必要があるというふうに認識をしています。 今後、年金制度、生活保護制度や生活困窮者自立支援制度など、制度の充実は重要でありますけれども、近い将来、飛躍的に下流老人の増加が予想される中にあっては、セーフティーネットの対象にさせないための方法を早い段階から模索することが最優先と考えます。 まずは、健康な高齢者をふやして、高齢者の安全で安定した雇用を充実させ、所得の安定に結びつけることが最優先されるべきと考えますけれども、高齢者の安定した収入対策の考え方について見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) ただいま議員が言われました下流老人、大変本ですとか、テレビ等でも話題になりましたので、私も関心を持っておりましたが、下流老人になることなく、住みなれた地域で生活を継続していただくためには、やはり年金以外の収入を確保することも大切でございます。 市では、高齢者の収入を確保するため、無料職業紹介所における職業紹介の実施や、中高年齢者等雇用対策として、パート就職面接会の開催などの就労支援対策、それから、シルバー人材センターの運営に対する助成などによって、高齢者が働く環境の確保に努めているところでございます。また、子育て支援を含めて、家族で助け合い生活をしていただくことを目的としまして、今年度からは、多世代同居のためのリフォームなどの費用の助成を始めたところでございます。 今後は、いつまでも健康で元気に働くことができるよう、介護予防の取り組みを強化するとともに、社会的な孤立を防ぐため、長寿会や地域活動への参加を積極的に促してまいります。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 特効薬というのは非常にないというふうに私も認識をしておりますけれど、やはり元気なうちは少しでも働ける環境を全体でどうつくっていくかという議論が、やはり私は大事ではないか。そのことによって何か導き出されるものがあるはずですよ。だから、今までそういった視点では、当然自己責任というような形で追いやっている部分が現実には私はあるんだというふうに認識していますけれど、やはりそういった時代ではもうなくなったというふうに考えますから、ぜひともそういったところを、労働環境もそうですし、家庭環境もそうですけど、複合的に検討されることをお願いしておきます。 次に、高齢者だけではなくて、若者までもやはりむしばまれている現実があります。若者の総合政策の必要について通告をしております。 1つ目は、市は若者の社会環境の変化をどう捉えているかということであります。戦後、日本は、世界でもまれにみる速さで復興を遂げまして、高度経済成長の波に乗り、経済発展を遂げました。しかし、1990年にバブルが崩壊し、労働市場が悪化をしました。高等学校卒業時に就職先が決まっていない者や、フリーターになる者がそのときから増加をし始めました。その結果、若者の社会的訓練の場であるとされました高等教育の場で活路を見出せなくなりました。その後、大卒者の労働市場も悪化をしまして、若年雇用問題が勃発をして、これらと並行して、婚姻率の低下と出生率の低下が進行したのも事実であります。若者の社会的地位とライフコースは、まさに40年前とは大きくさま変わりをし、変容を遂げたのが実態であります。 まず、そういった若者が、やはり環境が変わった、まずは非正規雇用の増加であります。低賃金で不安定な雇用にさらされました。特に、若者の年収は300万円から400万円とされ、下流化のリスクが非常に高いと指摘をされております。たとえ、先ほども言いましたけれども、400万円で40年間厚生年金をかけたとしても、受給できる年金額は、今の段階で16万円弱、生活保護ラインに陥って、そのぎりぎりまで来ている。まして、40年前と比較をしまして、年収400万円の価値が全く異なっておりまして、さらに、今の若い人たちを含めて、ボーナスのカットとか、退職金の減額や、そして、退職金がなくなってしまう、こういった状況もある。そして、給料がほとんど生活費に消えて貯蓄ができないのが今の状況であります。 さらに、不安定な雇用や低賃金などから、非婚化、結婚をしない方々が進んでいる。非正規雇用や厚生年金やボーナス、昇給、退職金がないために、下流老人に直結すること、若者の老後も危惧せざるを得ない状況が続いています。 さらに、未婚率は、男性で2割、女性で1割、まさに今、こういった状況で、若者の問題でありますけれども、今後、ひとり暮らし高齢者予備軍が若者の年代からもう既に始まっているということであります。 1990年以降に、青年期から成人期への移行時に困難を抱える若者が増加した背景は、移行を保障する社会システムが、学校、企業、家族、地域社会の変容の中で機能麻痺を起こして、日本型の青年期モデルは崩壊したと考えられています。 また、フリーター率やニート率の上昇は、学歴との関係が如実でありまして、中卒、高校中退、高卒など、学歴が低いほど不安定な就労に陥りやすい状況となっています。卒業時に就職が厳しかった人たちは、その後も不利な状況を引きずると言われておりまして、特に就職氷河期とされました2001年から2005年に卒業した年代は、壮年期に達するころには深刻な問題、いわゆる子どもの教育費の捻出の問題、また、老後に備えた貯蓄の問題などが予想されています。 ニート状態に長くとどまっている人は、景気回復があっても労働市場に参入しにくい状況がありまして、不利な状況を一度抱えると、労働市場から排除される若者の姿も一定数あります。 2000年代以降の所得格差の拡大で、若者自身や家族の状況も一変し、親が犠牲になって子どもにはよい教育をさせたいの信念で子育てをしてきた中間層に経済的余裕が失われて、子どもの教育を考える余裕を失った下層が増加をした。さらに、所得の低下が離婚の増加につながり、家族が安泰で、子どもが1人前になるまでその成長を支える安定した家族があるという家庭の常識までも揺らいできたのも事実であります。不登校や中退者に心身の疾病や障がい、家族関係や経済問題を複合的に抱える例は多く、それが就労困難につながっています。 これらから、労働市場での格差拡大のダメージは、特に若者に集中をしているのも実態です。中でも、最も不利な立場に置かれているのは、さまざまな理由から早期に学校を去っている若者であります。高度化し、競争が激化した労働市場の中で、高学歴の流れに乗れない若者が安定した仕事を得て生活基盤を築くことは容易ではなくなっているのも事実です。 これらから、日本におけます工業型経済成長を前提としたさまざまな制度のありようは、今まさに岐路に立っていると考えます。そのはざまで若者に活路が損なわれているように思えてなりません。 高山市は、これらを踏まえ、社会をどのように把握し、社会環境の変化をどう捉えているのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 下畑福祉部長。   〔福祉部長下畑守生君登壇〕 ◎福祉部長(下畑守生君) ただいま若い人たちを取り巻く環境の問題についてお尋ねかと思います。 全国的には、若者の就職困難者や、いわゆる非正規社員、ニートやひきこもりなどの、そういった全体的な数、全体的な把握につきましては、増加しているとは言われておりますけれども、高山市においては、そういった状況、それから変化については正確に把握していないというのが状況でございます。 そうした中で、本庁舎内等で開設している若者サポートステーション、ここでは、ニートやひきこもりの相談、支援が行われておりますが、平成25年度から毎年400件前後の来所者があります。 また、市役所1階に設置されました福祉サービス総合相談支援センターの生活困窮者相談窓口においては、平成27年度は20代の方が1人、30代の方が11人の相談者がありました。それらの相談支援実績から見ましても、課題を抱える若者は少なからず存在しているものと認識しておるところでございます。 そういった課題を抱えることになった背景としましては、若者のライフスタイルや、就業に対する価値観の変化に加えまして、核家族化や地域コミュニティーの希薄化が進んだことにより、若者が気楽に悩みを打ち明けられる場所がなくなってきていることや、身近な地域に若者を育て、支える環境が失われてきたことも大きな要因であるというふうに捉えておるところでございます。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 相談に来られる方は比較的いいんですよね。結局、家庭の中で閉じこもってしまって、やはり外部との接触を一切絶つ、この方々をどうやって少なくしていくのか。社会復帰に向けて、どういう活路を見出していけるのかというのが非常に大事な議論、これは高山市だけの問題ではありませんけれども、やはり国もそのことには非常に消極的であると言わざるを得ない。だから、そういうことを含めて各自治体で取り組めることは非常にあるんじゃないか。 皆さんにも知っていただきたいと思いますが、高山市の例とは言いませんけれども、我々の少なくとも若いころは、お医者さんに行くのは風邪を引いたときぐらいでした。そのことが一番多かったと思います。ただ、今の若い人たちは、圧倒的に風邪を引いたときにお医者さんに行くよりも診療内科へ行かれる方が非常に多い、このことを実態として捉えて、どうやってそういう方々を救って、社会の中に復帰させるのかということを真剣に考えないと、あるいは若い人たちも、社会の中の一員として役割が果たせづらくなってしまう、そのことはやはり皆さんにもお伝えをしておきたいというふうに思います。 次に、社会的困難、ひきこもり、ニート、鬱病を抱える若者への支援策など、総合政策を整える時代が到来をしているのではないかという質問であります。 このように、現代の若者は、普通に生活をすることにリスクを抱えて生きているのが実態でありまして、社会全体で若者を大切にする社会が重要であるということが、同時に、若者が大切にされる社会は、全ての人々が大切にされる社会であるという認識を深めるべきであります。 しかし、若者の中では、精神疾患など、さまざまなリスクを抱えているのが実態でありまして、自己責任論ではなくて、若者はあすの社会を担う貴重な人の宝、人財として、社会の持続のために若者を育てることは必須事業であるというふうに考えますし、これが一時の流行で終わってはならないというふうに思います。 2014年に子どもの貧困対策法が施行になった背景にも、これは日本の子どもが、6人に1人が貧困の状態にあるという実態を反映したものでありました。青年期から成人期に移行する過程では、いつも支援を受けられる体制づくりが必要であります。学校教育が終わりますと社会との関係が断ち切られるのが実態でありまして、困難を抱える若者は、やはり継続的な支援や見守りを続ける必要がありますけれども、地域社会も衰退をしておりまして、新たな仕掛けをつくらない限り、困難な問題を抱える若者を救えないのが今の現状だと考えています。 行政機関や専門機関も、連携が密接でないことも1つ挙げられますけれども、これらのこと、困難を抱える子どもや若者の存在に気づいて、本人のニーズを判断して適切に見守っていくことが現状ではなかなか困難であります。若者の支援のためには、公的責任として、若者の自立を保障する社会システムの構築が必要であります。若者が社会の死角に陥らないためには、自立に向けた支援を切れ目なく継続する社会システムが必要で、一時の就職支援ではなくて、幼少期から成人に達するまでの多様で継続的、かつ体系的な支援環境が必要というふうに考えます。 今まさに必要なことは、大人の世界へ踏み出し、生活基盤を築き始める時期の若者を守り育てて、彼らの自立を支援することを社会理念として打ち出すことが重要です。どのような状況にあっても、若者は将来に向かって常に成長できる環境があって、自分自身の生活基盤を築くことができて、困難に陥ったとしてもセーフティーネットが張られていることが実感できる社会のあり方を探るべきです。 そこで、市として、ひきこもりやニート、心の病など、社会的不利や困難を抱える若者を応援する支援の形を含めて、若者への総合政策が必要な時代が来ているというふうに考えますけれども、市の見解をお聞きいたします。 ○議長(水門義昭君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 若者への総合政策の必要性ということで、基本的に、あすの高山を担う人材として、そうした若者を育成するのは私どもの責任、義務だというふうに認識しております。そういった意味で、議員おっしゃったとおり、そうした必要性を改めて認識をさせていただいたところでございます。 今ほどの、まず、質問につきましてですが、ひきこもり、ニート、鬱病、そして社会的困難を抱える若者というものが増加している社会的な環境もありますが、1つには、若者の生育歴、さらには家庭環境、そして、小さいときからの障がいの見過ごし、要するに、おっしゃるとおり、誕生から成年になるまでの適切な支援を享受できなかったということは、1つの要因だというふうに認識しております。 それとあわせて、その生活の中で身近に相談できるような環境がなかったことですとか、さらに、青年になってから本当に気軽に相談するような場所、そうしたものもなくなってきておるという要因も大きなものがあるのかなというふうに思っております。 そうした若者を支援していくためには、まだまだ実態としては微力なのかもしれませんが、地域の関係団体、関係機関、連携しながら、共通の認識を持って、そして支援をしていくことが大事だというふうに思っております。 先ほど福祉部長も申し上げましたとおり、社会的困難を抱える若者の社会的参加、さらには職業自立に向けての支援というものを、現在、岐阜県の若者サポートステーションを始め、ひきこもり地域支援センターですとか、市の総合相談支援センター、社協、民生児童委員ですとか、学校、民間の支援団体、さらに青少年育成の市民会議ですとか、そうしたいろんな団体がございます。そうしたところが、家族の意向ですとか、御本人のそうした状況をしっかりと踏まえながら、そうした実情に合った適切な対応、支援、そうしたものを検討しながら、複合的に対応していくという、取り組みを進めていくということがより大切なのかなというふうに思っております。 なかなかこれが個々のケースの中で難しい事例ですとか、総合的に全ての方にそういった手だてが講じられるということは大変難しい問題なのかなというふうに思っております。それとあわせて、議員がおっしゃったとおり、子どもの貧困対策法というのは国が掲げた法律でございますが、それこそ教育、誕生、さらには社会生活ですとか、就労、経済的支援、それぞれ国、県、市、自治体、さらには民間のそうした関係機関、連携しながら、それぞれの役割を果たし、さらに補完し合いながら、子どもの将来が、産まれ育った環境でしっかりと生育できるような、そうした環境づくりを目指していくというところからは、高山市としましても、まだまだ微力かもしれませんが、それぞれの部局において、若者支援、また、子どもの育成に対するいろんな施策をしっかりと取り組むことによって、総合的な対応、そうしたものを、方策というものをしっかりと築き上げていきたいなというふうに思っております。 議員おっしゃった国の流れにおいて、実際に高山市がどういう実態にあるのかというところをまず押さえさせていただいて、それに向かった具体的な対応というものをまずは考えていくということが大切ではないかというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 実態は調査をされていないですけど、非常に多いですよ、現実。本当に私も周りを見ただけでも感じます。だから、そういったところを早く把握していただいて、全ての、1つのことを組み立てれば全てが解消するような問題でもないですし、非常に問題は大きいですけど、私は、そういった今までなかった若者の視点を、やはり皆さんの考える意識の中に前提として置いて、そして全庁的に議論を継続してほしいという、そのこと以外に方法はないですよ。 だから、国の施行、政策とかを待っているわけではなくて、そういったところは、できるところは、早さによってできることを自ら進めていく、そういった取り組みをお願いしたいと。経済対策も非常に大事です、大事ですけれども、やはりこういった予備軍が非常に多いということを認識すると、やはり扶助費の増加をどれだけでも抑えていく、そういった取り組みも非常に大事ですから、地味なことも非常に大事であるというふうな認識でおりますので、ぜひとも取り組みをお願いしたいというふうに思います。 次に、3点目、高山駅周辺整備完了後の運用についてということで通告をしております。この質問は、1から3までと、4と5の2分割で質問させていただきます。 まず、駅東口におけるタクシー営業の運用方法はということであります。 高山駅周辺整備事業は大詰めを迎えております。今年度は、自由通路及び西口駅前広場の供用開始が予定をされます。さらに、東口駅前広場の工事が着手される予定にもなっています。そこで、東口駅前広場のタクシー営業は、現行では構内営業の許可がされている事業者に限定をされておりますけれども、東口駅前広場の工事完了後の運用についてはどのような方法がとられるのか、また、これらを協議する場において議論が行われているのか、伺います。 2点目には、駅東口のバスターミナルと併用する降車場、市有地の運用をどう検討されているのかということであります。 東口には、平成21年から既にバスターミナルの運用が行われておりますが、入り込み観光客数や高速バス路線の増加によりまして、乗降場所の確保の必要性から狭隘な状態が続いております。 そこで、東口駅前広場において、降車場が確保されていますけれども、この運用方法についてどのように検討されているのか、伺います。 3つ目には、駅西口(ロータリー)の運用計画は具体的に整っているのか。 今年度は、駅西口広場の供用開始がされますが、交通事業者や送迎車両などを含めた具体的な運用方法は決まっているのか、また、事業者などの周知と理解についてどう取り組まれているのか、3点まとめて伺います。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕
    基盤整備部長(東泰士君) 東西駅前広場の運用についてお聞きですので、まず、東口におけますタクシーの営業の運用につきまして回答させていただきます。 議員申されましたとおり、現在の東口駅前広場の土地につきましては、JRと国、県の所有地でありまして、構内営業権が発生しております。今回の区画整理によりまして、新しく整備する東口駅前広場につきましては、高山市の土地となります。したがいまして、駅東の一般車、タクシーなどの乗降ロータリーの運営につきましては、主に利用されますタクシー会社、旅館組合など、関係する団体の御意見を伺いながら、市が決めていくこととなります。その内容につきましては、乗り入れに関するルールのことはもちろんのこと、日々の清掃や照明、消雪などの場内整備の維持管理など、どういった方法で誰が行うのか、また、負担はどうするかなど、他市の状況を確認しながら、来年秋に東口駅前広場が完成しますので、それまでに決定していく予定でございます。 また、次に、駅東のバスターミナルと隣接する降車場の運用はという御質問でございますが、これも議員おっしゃられましたように、現在、駅やバスターミナルの部分が大変混雑していることは、私どもも承知しているところでございます。このような状況の中、濃飛バスターミナルさんに隣接して、今、市が設置しようとしています東口駅前広場につきましては、現在のバスターミナルの運用状況も踏まえまして、安全で効率的な運用となるよう、今後、濃飛バスさんも含めまして、関係する皆さんと協議を行っていく予定でございます。 次に、駅西の運用につきましてはどうなのかという御質問でございますが、西口の駅前広場につきましては、ことしの秋に完成します。ただ、同じ時期に東口駅前広場の工事に着手するため、東口駅前広場の利用が大きく制限されることとなります。そのため、東口駅前広場が完成するまでの期間、西口駅前広場につきましては、暫定的な運用になるというふうに考えております。東口駅前広場が完成します来年の秋までには、東西駅前広場両方の運用につきまして、関係する皆様と協議をし、管理の体制を決めていくこととしております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) ぜひとも東口の運用につきましては、やはり事業者と協議を重ねて、合意につながるような御努力をお願いしたいというふうに思います。西口につきましても、非常に東口の工事に当たって、いろんな車両が西口に回されるということで、非常に混雑が予想されますけれども、そういった安全の管理も含めて対応をお願いしておきます。 次に、高山駅周辺における市有地の現状と活用のめどはということであります。 平成10年に都市計画決定をし、平成15年からは仮換地指定がされて現在に至っています。今後は、工事の完了とともに本換地が整っていくんだろうというふうに考えます。 そこで、高山駅周辺整備に伴い、市が所有する土地も存在しておりますけれども、現状と今後の活用方法について伺います。 次に、駅から市内中心部、または各支所地域を絡める交通体系の考えはということであります。 高山駅周辺整備計画は、都市計画決定から運用開始の来年度までには20年の歳月を要し完成をするわけです。20年前の経済社会環境とは大きく異なっておりますが、計画当初から観光都市の玄関にふさわしいおもてなしの空間として駅前広場を整備するとの市民共通のコンセプトで事業が進んできたはずであります。 高山駅前広場の整備方針は、おもてなしの空間としての、訪れる人を迎え、目的地につなぐ利便性のよい駅前広場を整備する、観光地など目的地に出かける前に期待感を持っていただけるような駅前広場を整備するとされまして、今後の活用と運用に期待がかかるわけです。さらに、高山駅完成後は、新たな高山の幕あけと言っても過言ではありません。これを契機に、高山観光の新たなモデルが構築されることも期待をしております。 そこで、平成22年の総務委員会でも政策提言をしておりますけれども、駅周辺や市内駐車場を絡めて、市内中心部などを結ぶ路線のあり方や、また、支所地域の観光振興や活性化のもととなる支所地域の名所などを結ぶ観光路線の創設など、高山観光の新たな展開に結びつける必要があるという認識を持っておりますが、どのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 東基盤整備部長。   〔基盤整備部長東泰士君登壇〕 ◎基盤整備部長(東泰士君) 市有地の活用という、市有地の部分につきましては、区画整理事業は完成しまして、幾つかの用地を生み出しておりますが、その用地につきましては、ほとんど活用方法が決まっておりまして、残りの活用方法が決まっていない土地につきましては、今後、売却していきたいというふうに考えております。 5番目の、新たな中心部の交通体系や支所地域を絡める交通体系の考えはどうかという御質問でございますが、駅周辺整備の事業の完了に伴う公共交通の見直しに関しましては、今回、西口駅前広場及び東西自由通路、これ、匠通りというふうにこの間命名させていただきましたが、新たに整備することに伴いまして、西口駅前広場にはバス停を設置し、利用者の利便性の向上を図る必要があるというふうに考えております。西口広場の乗り入れる、どんな便が必要なのかにつきましては、交通事業者等、あるいは利用者の意見、あるいは公共交通活性化協議会の審議等を経まして、ことしの秋の供用開始に備えたいというふうに考えております。 今ほど議員おっしゃられました、市内中心部の駐車場や観光名所をめぐるバスにつきましては、現状では、まちなみバスがその位置づけになっているというふうに思っておりますが、今、観光の目玉となるような新たなバスが導入できないかというような御意見もいただいておりますので、それも踏まえまして、見直しの必要性を含め、現在検討させていただいているところでございます。 以上です。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員。 ◆9番(岩垣和彦君) 高山駅の整備完了というのは、非常に市民にとっても、高山のありようが変わっていくんだという期待感も非常に多いわけですから、そういった今までの一般質問の中でも多く取り上げられていますけれども、そういった支所地域を結ぶ交通体系の整備とか、当然、観光的な路線になるかと思いますけれども、そういったことも含めて、ぜひ検討をいただくことをお願いして、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、岩垣議員の質問を終わります。 次に、上嶋議員。   〔13番上嶋希代子君登壇〕 ◆13番(上嶋希代子君) 皆さん、御苦労さまです。 選挙権の問題から入らせていただきます。 今度、18歳の選挙権に伴う若い世代の投票率の向上についてお伺いします。 ことしは、国の将来を大きく左右する参議院選挙が6月、今月の22日に始められ、7月10日の投票日ということで行われることになっております。 今回の選挙からは18歳に、7月10日投票ですが、7月11日までに生まれた人が有効だそうですけど、そういうふうの投票ができることになりました。 若者は選挙に関心がないとか批判されてきました。その上、投票に行かないということで、投票率も低いというふうに言われています。今回の選挙は18歳からということで、高校生に対しては模擬投票などが行われたようですが、最初に、高山市について、若者20代の投票率の現状はどんなふうになっているか、まずお聞きしたいというふうに考えます。   〔13番上嶋希代子君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 若者の投票率につきましては、国、県の選挙時に統一的に調査が行われておりまして、高山市では、西投票区を抽出投票区として調査を行ってきております。 参考までに、昨年の4月に行われた岐阜県議会議員選挙におきます西投票区における20代の投票率は29.9%でございまして、西投票区全体の投票率が58.7%であったのに比べて大きく下回る結果となっております。 若年層の投票率が低いことについては、国及び県の取りまとめた結果において、全国的に同様の傾向となっているところでございます。 これは西投票区の実態でございます。高山市といたしましては、全体の年代別の投票というのを今まで調べておりませんが、今、新しい有権者がふえるということもありますので、少しどういうような調査をしたらいいのかということについて検討を指示したところでございます。 ちなみに、参考まででございますが、今度の参議院選挙における場合の新有権者でございますが、19歳、18歳で約1,600人くらいふえる予定になっておりますし、そのうちの高校生は260人くらいでございます。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) そこで、18歳の選挙権をどう啓発し、投票率の向上に取り組むかというところですけれども、それと、3番目に書いております政治教育のあり方も含めてお尋ねしたいというふうに考えます。 今、新聞とかいろんなところで18歳の選挙権があるということで関心が持たれていまして、たまたま新聞を見ていましたら、外国の状況なんかも含めて出ていましたので、ちょっと紹介させていただきます。 海外の人たちは、16歳からもう既に始まっているオーストラリアとか、アルゼンチン、ブラジル、そして、25歳に選挙権を得るというアラブ首長国連邦などもありますけれども、そういう状況も外国ではあります。 選挙権年齢は、とうに18歳以上が主流になっているというのが外国の状況で、多くの国は1970年代に引き下げ、若者の政治参加を促してきたと。それらの国からでは、若い世代はどんなふうに政治と向き合っているのか、日本で学ぶ留学生に実情を聞いたということで、例が載っていましたので、まずとりあえず紹介させていただきますが、高校生や大学では、選挙があるたびに友達と誰に投票するか、すべきかなどをよく議論していたという外国の女子学生がおりますし、18歳から選挙権があり、母国ではふだんからSNSを使って、政治に関する気になった新聞や雑誌記事を友達と共有していたという人もおります。 こういうふうにしていますし、そして、18歳から選挙権のあるトルコの出身の人ですけれど、来日して特に感じたのは、日本の学生の政治意識の低さだったと。日本人は自分の考えを言わない習慣があるのだろうか、もっと自分たちの意見を発信すべきだという意見を持っていた若者もいるということでした。 埼玉県の大学に留学中の若い学生は、今回の日本の18歳選挙権について、社会に無関心な人が多いが、より多くの人が世の中の流れに敏感になると思うというふうに評価をしていたというふうに言われています。 こういう状況が外国の中ではあるということですが、学校の先生の中でもいろいろ模索がされていまして、ある学校で先生はアンケートをとられたそうですけれども、高校生の中に、120人に聞いたそうですけど、選挙に行くかどうかという質問ですけど、わからないという生徒が18%いたと。5割強は行く、多分行くというふうに回答したということです。しかし、その理由は、せっかく18歳選挙になったから、周囲から行くように言われるから、何となくが多く、まだ全体的に選挙権を権利として捉え切れていないという状況があるというふうに判断されています。 一方、行かない理由として多いのは、政策についてよくわからない、判断できないと、支持する政党や候補者がないということもあったそうです。 この学校では、模擬投票はまだやっていないそうですけど、投票の仕方がわからないはゼロであったけれども、これは投票のノウハウを教えるだけの模擬投票では選挙の投票率の向上にはつながらないんじゃないかということをこの先生はアンケートの中でおっしゃられています。 それで、判断の仕方を生徒とともに考えることをとにかく重視したいと、アンケートをきっかけに生徒が政治への関心を高め、主権者として育っていけるような教育実践につなげたいということで、先生は先生なりに今頑張っておられるというところがアンケートからも見受けられますが、高山市については、18歳の選挙権をどう啓発して投票向上に取り組むのか、政治教育のあり方はどうしていくのかをお尋ねします。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 高山市におけます18歳選挙権の啓発につきましては、先ほど冒頭議員のほうでも少し触れられましたが、少し紹介させていただきますが、県と共同で、市内の3つの高校で選挙制度の出前講座や本物の投票箱や記載台などを使った模擬投票を実施しております。 高山西高校では、その後実施しましたアンケート結果を見ますと、今回の出前講座を受講して選挙に行こうと思うと回答した方が約95%、今回の模擬投票に参加することで政治や選挙に関心が高まったと回答した人が約76%となっております。 また、自由意見の中には、自分が入れた1票にとても重みを感じました。これからは選挙が行われたとき投票に行きたいと思いますとか、投票は難しいイメージがあったけれども、実際はすごく簡単だとわかったので、選挙が行われたときは行ってみたい、こういった前向きな意見が多く聞かれております。 そのほかにも、市内の全ての高校に依頼しまして、選挙の雰囲気を身近に感じていただくことを目的とした期日前投票所における職場体験希望者などの募集を今しておりますが、また、そのほか、高校を卒業した全ての新有権者に対して啓発冊子の送付にあわせて、不在者投票に関する説明などを送付するなど、啓発に努めているところでございます。 今後も、出前講座や模擬投票を継続的に開催するなど、さまざまな機会を捉え、今申し上げましたほかにも、創意と工夫を持って継続して若者の選挙啓発に努めていきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 中村教育長。   〔教育長中村健史君登壇〕 ◎教育長(中村健史君) 政治教育のあり方はというお尋ねでありますので、政治教育という言葉だけで申し上げますと、少なくとも小中高校において政治教育というふうに言う場合には、教育基本法に、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないと書いてありますので、これはしないというふうに言うことが正確なお答えだと思っています。 しかしながら、昨年9月でしたかね、橋本議員さんだと思いますが、主権者教育という視点でのお尋ねがございまして、それにお答えしておるところが今もお答えすべき内容だというふうに思っています。また繰り返しますといけませんので、主権者教育で恐らく小中高校とも最も強く目指しておるのは、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、自ら行動することで、その発展に寄与できる主権者であるという自覚を持つ、あるいはそれを生み出す、この教育を懸命になしておるということでございます。 しかしながら、この教育自体は、何も今、18歳に選挙年齢が下がったということでしておるものではなくて、もっと大きく言えば、教育そのものが自覚的な、あるいは国家社会の形成者としての人間を育むというものでございますので、当然至極でございます。 しかしながら、今まさに18歳という年齢で、先ほど市長が答弁されましたように、現役の高校生の160名もの生徒は選挙権を行使するわけですので、そうすると、これまでの教育のあり方の中で最も強く求められておるものは、いかにそのことを自覚、意識して指導に当たるかということが求められているというふうに思っておりますし、それはなしてきておるというふうに言わせていただきたいと思います。 同時に、主権者教育は、昨年9月も申しましたように、学校で教える中身では到底足りないというのが私どもの見解でございます。つまり、あらゆる意味において、大人社会がそれぞれの若者を、それこそ子どもを主権者、主体者としていかに育み、応援していった後に、権利を持った主権者として投票行動に結びつけるか、これを示さないことには恐らく成り立たないだろうと。今まさにそういうときが来たので、もう一度社会全てがそんなふうな願いであるとか、見解をきちっと確保すること、これが最たる政治教育になるのではないかな、そんなふうに学校教育でもいたしてまいりたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 答弁いただきました中身は当然でありますし、そして、外国のさっきの紹介したように、日常ふだんにやっぱり政治を語るとか、今の将来を自分たちはどうしたらいいのかという語る教育がなかなかここしばらくはされてこなかったのが実態じゃないかというふうに思います。 18歳になった時点を有効に生かすということも含めて、小さいうちからやっぱり自分たちも将来どうするのか、さっき話がありましたように、なかなか自分の意見を言えない、言わないというのが日本人の美徳とされてきたようなところもありますので、ここも払拭しながら、やっぱり自分たちの将来は自分たちが決めようという立場に立ち切れるような学校教育をやってほしいなというふうに考えますし、そうあるべきじゃないかというふうに思います。 一方で、さっき言われましたように、どこの政党がとか、先生たちは言ってだめだとかという、ただ、そこのところが一線を外さないということも大事じゃないかというふうに思いますので、先生たちも一方では本当に心配をしながら、どこまでどういうふうに言ったらいいのか、今までがそういう環境に立たされていなかった先生たちですので、難しいというところはあると思いますので、そこら辺のところは教育委員会の大きな役割かなというふうに考えますので、そこのところもぜひ先生たちの教育の立場も明確に指導されるように考えますが、その辺はどうでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 中村教育長。   〔教育長中村健史君登壇〕 ◎教育長(中村健史君) 誤解があったらお許しをいただきたいと思いますが、決して逃げているわけではありませんので、なしてこなかったと言われると、私はここの場で改めてそれを否定しなければなりませんので、お断りをしておきたいと思います。 具体的に申しますと、たとえ小学校の12年生であっても、学級における何々選挙のような行為、行動において、きちんと意見を言う、自分の思っていることを表明して、その意見に対して他の子はどうでしょうかということをもって選んでいくとか、決めていくとかという営みを常に続けてきております。 まさしく、18歳年齢で云々ということが出てきて、あたかも降って湧いたかのごとく思っているとすれば、それは認識不足なのであって、そういう意味の教員がゼロかというと、ややゼロではないかもしれないなという思いはいたします。そこのところの誤解のないようにだけお願いしたいと思っていますし、中学校における生徒会のいわゆる選挙等は、当然、今までもそのようにやってきておりますし、自分の主張を堂々と述べ、それに対する反論も聞きながら投票をし、選挙をしておるということでございますので、それがどう置きかわるかということは意識性の問題であるし、大人の側、つまり教師側が今、君たちがこうしていること、それは自らの社会、国をつくっていくことと同じだからねということは、言葉にするしないにかかわらずなしてきておることでございますので、改めて殊さらが何かをなすということではないというふうに考えています。よろしくお願いをいたします。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 今、中村教育長が言われたようなことは、それはふだんの積み上げられた教育の中で実際はあると思いますけれども、改めてこの選挙権の問題がクローズアップされた中では、やはり再認識しながらやっていくことが必要かなというふうに考えます。 いかに選挙ということについての、改めて18歳ばかりでなくて、さっきの話じゃないんですけど、19歳の人も二十の人も若い青年たちが興味を持ち、そして自分の将来は自分たちで決めるような大人の交流も今必要かというふうに考えます。 もう一つ、4番目ですけど、今改めて出てきたのが、共通の投票所の設置の考えということで、新しく整備化されたんですけど、6月19日から改正公選法が施行されることに伴い、各市町村の判断で駅や商業施設を利用する共通投票所の設置や期日前投票の投票時間の弾力的な運用が可能になりましたと。これまでの投票日には指定された投票所でしか投票ができなかったんだけど、駅や商業施設に設けられる共通投票所では、同じ自治体の有権者であれば買い物などのついでに投票できるというようなふうに制度化されてきたということですけど、実施したされたところはまだ少ないんですけど、こういうのについて環境整備が大変重要ですので、一遍にはできないかと思いますけど、高山市のそういうことについての方向性があれば教えていただきたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 共通投票所の設置につきましては、指定された投票所だけでなく、人の多く集まる店舗や施設などでも投票できることから、投票率の向上が期待できる制度であるということは認識しております。 しかしながら、二重投票を防止するためにと、選挙当日に指定された投票所と共通投票所の間では絶えず選挙人名簿の対照をリアルタイムで行う必要性があるため、オンラインシステムの構築が必要となります。 高山市の場合は、70投票所と共通投票所の全てにセキュリティーを確保した独自の有線を整備することが必須条件となるほか、万が一のシステムトラブルや回線の断絶が発生した場合には、全ての投票受け付けが停止するなどの混乱を来すおそれもあるため、こういった課題がまだ多いということから、すぐには実施できないというふうに考えております。 先ほど議員おっしゃられたとおり、国のほうで調べた状況でも、現状すぐにこの共通投票所に取り組むというような、国の調べでは、自治体はほとんど、ないんではないですけど、数自治体の状況にまだとどまっているということで、それに移行するための課題というのが、少し経費も含めて検討しないと移行していけないんじゃないかというふうに現状では考えております。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) ぜひ投票率も向上するように、若い人たちが本当に投票に行けるような環境をぜひつくるということも教育の面からも大事だというふうに考えますので、その辺は取り組みを強めていただければというふうに考えます。 2つ目に、熊本地震の災害の教訓について御質問させていただきます。 311、東日本大震災から5年、そして4月14日の第1回目の強い地震、熊本地震と大災害に及ぶ地震が相次いでいます。被災された皆さんの暮らしは、もとの日常の暮らしとはほど遠い状況にあるというのが実態だと考えています。 たまたま新聞を見ていましたら、こんな状況があったので、私も改めて大変なんだなというふうに思いますけど、仮設風呂がもう終了になってシャワーだけしか使えないという状況もあるそうです。湯船にしっかりつかって疲れを直したいということでお願いをしているということがありましたけれども、まだ毎日公園なんかで過ごしておられる人もおられるということを見て、改めて心が痛んだ次第です。 一方で、きょうの新聞に、高山市では、熊本を応援するために、高山市の学校給食に熊本産のスイカとか、ナスの野菜を取り入れたという報道もありましたので、そういうことも高山では具体的にされているのかなということも改めてきょう見ましたので、よかったなというふうに思います。 避難所では必要なものの手当ては数え切れないほどあります。その中でも、食事については何よりも早く必要なことだと考えます。何日かたってからしかおにぎりがもらえなかったし、何日もそんな状況が続いたというところもあったというふうに私は聞いています。 高山で災害が起こる場合、その想定として、避難所の現状と食事の供給体制の確保はどんなふうにされているのかということをお聞きいたします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 指定避難所の食事の供給体制ということでございますけれども、高山市で指定避難所として指定しております避難所が93施設ございまして、合計で約5万3,000人を収容できるスペースがございます。 県の被害想定に基づきますと、最大で約2万人の被災者ということを見込んでおりますので、災害時には備蓄米、あるいはみそ汁などの食糧は、最大2万人の避難者の3回分ということで、約6万食の食糧を備蓄いたしております。 避難所におきます食糧の供給につきましては、市職員で組織いたします食糧物資供給班が中心となって避難所へ運搬し、避難所で簡単な調理をして、避難者へ供給するということにいたしております。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 高山市におきましては、支所もたくさんあって、道路もなかなか幾つもあるわけじゃないので、熊本もそうでしたけど、なかなかすぐ届ける状況ができなかったということも現実ありますので、高山でもそういうことが想定されるというふうに考えられています。だから、その点については、道路網の復旧も大切ですので、その辺はぜひ具体的に手を打つ方法も今必要かというふうに考えますが、その具体的な対策については、支所地域は支所地域というふうにして成り立つのでしょうか。今の食事の個数はわかりましたけれども、お聞きします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 食糧を始めとする備蓄品につきましては、多くは飛騨高山ビッグアリーナに備蓄はいたしておりますけれども、支所地域を含めまして、高山地域におきましても、複数の備蓄倉庫を準備いたしておりまして、それらに分散をして備蓄いたしておりますので、それらのところから道路状況、被害状況を勘案して、どこからどこに持っていくかということを判断いたしまして、食糧等を供給するということになっておりますので。 あと、道路の復旧ということについては、当然にやっぱり避難所ですとか、そういった命にかかわる部分というのは優先して復旧はさせなければならないというふうに思っておりますので、実際の災害に当たっては、そちらは最優先してやるべきだろうというふうに判断をいたしております。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 続きまして、冬の暖房と自家発電装置の現状と今後の方針はどうなっているのかということをお聞きします。 ある地域で冬の災害があったときにですけれども、自家発電で本当に役に立ってよかったというふうにおっしゃった方がおられました。私もこれはずっと気になっていて、今の震災の状況の中では特に必要だなというふうに考えます。特に冬の長い高山ではこの装置は必要だと考えますが、自家発電装置は実際どのように高山市ではなっているのか、現状を教えてください。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 災害備蓄品といたしましては、冬期の暖房ということを中心にお答えをさせていただきますが、石油ストーブが80台、それからガソリン式の発動発電機52台、ガス式の発動発電機23台を備蓄いたしております。 指定避難所に指定しております小中学校26校ございますけれども、ここでは、太陽光発電装置を備えている小中学校が16校、そのうち13校は蓄電池もあわせて設置をいたしております。災害時にはこれらを活用するとともに、災害備蓄品として備えておりますストーブや発動発電機を持ち込んで対応することといたしております。 なお、今年度、また木質燃料を利用するロケットストーブ20台、それから一定規模の発電も可能なスターリングエンジンつきのロケットストーブ3台の導入を予定しております。今後とも災害備蓄品の充実を図ってまいります。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 細かいことを聞くようで申しわけないんですが、今、学校のところはありましたけど、例えば公民館とか、そういうところには発電機というのはなくて、さっき言われたストーブなんかを設置するということになるんでしょうか。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) 指定避難所につきましても、発動発電機を備えているところ、あるいは大きな蓄電池を持っているところもございます。今ここでどことどこといったことはちょっとお答えできないですけれども、そういった場所もございます。そういったもののないところについては、今申し上げましたように、発動発電機を持っていって対応するというふうな計画にいたしております。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 特に寒い地域ですし、高齢化が進んでいますので、食糧も大事ですけれども、寒さに耐えれるような装置ということでは、ぜひこれは抜かりがないように設置をしていくことがどうしても必要だと考えます。 次に、防災ラジオの全戸無料の配布の考えはということですけど、先ほどの熊本での避難されている方のことを思うと切なくなりますが、震災後すぐには情報が入らなくて困ったと、役に立ったのはラジオだったという話を熊本の人の発言を聞きました。 県下でも瑞浪市が行ったということでは前の議員も取り上げておられましたが、現在の市の考えは議論をされているのでしょうか。その費用については多額が要るのでということもありますが、防災ラジオの全戸無料配布は議論されているのでしょうか、お聞きします。 ○議長(水門義昭君) 北村危機管理室担当部長。   〔危機管理室担当部長北村泰気君登壇〕 ◎危機管理室担当部長(北村泰気君) これは、昨年の27年の6月議会でもお答えをいたしておりますけれども、市といたしましては、情報伝達手段、それぞれに長所短所ございます。そのために情報伝達手段を多様化して、複数の伝達手段を用意するということが重要だろうというふうに考えておるところでございまして、既に料金を負担してラジオを御利用いただいている方との公平性をどのようにして保つのか、それから長所短所もあるといったことを踏まえまして、防災ラジオの全戸無償配布ということは考えていないというふうにお答えをさせていただいておりますが、その考えは変わっておりません。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 何度も同じことを聞いて申しわけないんですが、もしこのラジオがなければ、そのかわりのものをということで、先ほどもちょっと言われましたけれども、なかなかお年寄りの人たちはいろんな情報を手に入れる方法が少ないわけです。耳が遠かったりということで、聞こえなかったりということも多くあるようです。その辺のところでは、防災ラジオが100%というわけにはいきませんけれども、ぜひそのことは今後とも引き続き検討の中に入れていただきまして、今後ともやっぱり情報がきちんと入る、安全な暮らしをするための手段に考えていければというふうに考えます。 この辺のところは議論があるところですが、1つには、お金の問題もあると思います。そのことについても、今後とも議論の中に入れていただきまして、普及にどれだけでも住民の人たちが手に入るような方法を考えていければというふうに考えます。 災害については、いつ起こるかわからないという状況の中で、万全を期していけるようにしていただきたいというふうに考えます。 3番目になりますが、市長の出張についてということを挙げさせていただいています。 今、首長さんの行動については、東京都の舛添知事さん、下呂の市長さん、こんなところも大きく今取り上げられておりますが、国民の間で話題になっています。私は、市長さんがそうだというふうには言っていません。私は、市民の方から、高山の市長はよく出張しているけれど、市長はどこへ行かれているのですかと、最近は外国の人がいっぱい観光に来てくださっている、市長の外国でのセールスのおかげかなという話も聞かれます。市民とは少しかけ離れていないかなということも聞かれます。長期間留守のようだと聞かれていましたので、情報公開を請求いたしました。結果を見て改めてびっくりしたというのが実感です。それを見てみますと、ちょっと私もこんなふうに挙げてみました。 去年の4月からことしの3月までのですけれども、4月は、   〔資料を示す〕このように東京都、岐阜と県内ということで6日、そして5月になりまして、神戸、御殿場、東京と11日というふうになっております。6月は議会のときもありましたけれども、このようになっています。7月に入りますと、6月から7月にかけて、アメリカ、そしてベトナム、フィリピンへ行っておられます。8月になりますと、韓国、東京、岐阜、名古屋。9月は議会がもちろんありましたので少ないんですけれども、でも4日あります。10月になりますと、金沢、東京、名古屋を始め、インドネシア、中国へも出かけられておりまして、残ったところの日付のほうが少ないという状況があります。12月に入りますと、またこれは議会がありますので少ないのですが、それでも8日、1月に入りまして8日、お出かけになっております。2月になりますと、東大阪、東京、岐阜市、名古屋、京都、岐阜、岐阜、新潟にお出かけになっております。半々ぐらいですね。3月になりまして、岐阜市、東京、香港、名古屋、岐阜、郡上市、岐阜というふうに出かけておりますことが情報公開の中でわかりました。 こういう状況を見まして、3月までで国内外の合わせて66回というふうにトータルしました。費用としては、交通費が2,296万3,858円、宿泊代が95万7,600円、トータルで2,392万1,458円となっています。 外国での出張についてですが、6回行っておられます。6回ありましたが、目的地、目的内容はどんなふうになっていたのか、そして成果としてはどう捉えているかをまずお尋ねさせていただきます。 ○議長(水門義昭君) 田中ブランド海外戦略部長。   〔ブランド海外戦略部長田中明君登壇〕 ◎ブランド海外戦略部長(田中明君) 昨年度の市長によります海外に出向いてのトップセールス、今御説明いただきましたように6回ございます。それぞれの目的と成果ということでございましたので、それぞれ申し上げたいと思います。時系列ごとに申し上げますけれども、よろしいでしょうか。 まず、6月28日から7月6日にかけましては、アメリカに行っております。ニューヨークとデンバーということで、ニューヨークにつきましては、地酒、旅行代理店へのトップセールス、あるいは国連訪問、デンバーにつきましては、姉妹都市の55周年記念事業の参加、あと、地酒のトップセールスということで、デンバーにつきましては、友好交流の促進というのがございましたけれども、デンバーにつきましても、ニューヨークにつきましても、特にニューヨークからは、地酒ツアーの実施でありましたりとか、あと、実際の旅行商品の造成といったこともございます。 次、7月13日から18日にかけましては、ベトナムとフィリピンに行っております。ベトナムはホーチミンとハノイ、フィリピンはマニラということで、岐阜県知事とともにトップセールスをいたしまして、プロモーションを実施しておりまして、ベトナム、フィリピンともに旅行代理店へのトップセールス、あるいは日本産品の輸入業者等へのトップセールスということで、実際に旅行代理店、輸入事業者関係との新たな交渉を開催しております。 8月3日から7日にかけましては、韓国のソウルに行っております。そちらでは、旅行代理店、メディア、あるいは航空会社へのトップセールスをしておりますし、あとは、日本大使館などへ行って意見交換をしましたりとか、韓国観光公社の役員と面談をしておりまして、メディアで実際に媒体で高山を紹介されましたりとか、あと、秋口に文化関係ツアーの派遣がソウルからございました。 10月17から24日にかけましては、インドネシアと中国に行っております。インドネシアはジャカルタ、中国は南京ということで、インドネシアにつきましては、中部運輸局からの強い依頼がございまして、昇龍道プロジェクトの推進協議会ということのミッションに参加しまして、中部地域のプロモーションに高山が中心となってこれまでやってきたということもございますので、参加したわけでございますけれども、旅行代理店、航空会社へのトップセールスをしております。また、中国につきましては、政府関係者へのトップセールス、あるいは今後の旅行商品についての共同開発ということで、特にこの2つにつきましては、今、旅行商品の造成について継続の協議中ということでございます。 次、11月2日から12日にかけましては、ヨーロッパのフランスとルーマニアに行っております。フランスにおきましては、パリとコルマールということ、また、ルーマニアはブカレストとシビウということで、特にフランスは、地方創生連携事業としまして、これも岐阜県知事とともに飛騨3市1村の首長がプロモーション活動を実施しまして、特に地酒のプロモーションであるとか、あるいは旅行代理店へのトップセールスでございます。また、今、経済協力関係を結んでおりますコルマールの国際旅行博に出展しまして、広く飛騨地域をPRさせていただいております。 また、ルーマニアにつきましては、以前のシビウ市長がルーマニアの大統領に当選されたということがございましたので、ルーマニアの大統領にお会いして、今後のシビウとの連携の助言、協力をいただきましたのと、あるいは個別にまた日本産品の輸入業者へのトップセールスとルーマニアの旅行代理店へトップセールスしております。 成果としましては、特にフランスは、その期間中に訪問しましたことによりまして、商談の輸出の件数が6件成立しております。これは日本酒であるとか、あるいは小糸焼、あるいは寒干し大根であるとか、そういったものが成立しておりますし、あとは、シェフを対象とした地酒と日本食をめぐるツアーの造成ということで実際に来ていただいておりますし、コルマールにつきましては、クリスマスマーケットにわざわざ高山だからということで出展許可ということを取りつけております。 また、ルーマニアにつきましても、高山産品の輸出について協議を既に開始しておりまして、今、私ども、地道にフォローアップをしております。 3月2日から4日につきましては、香港に行っております。これは、正直初めてなんですけれども、丹生川地域で初めて山岳を利用した、スキー場を利用したプロモーションをするということもございましたので、その後押しを兼ねて、一緒に旅行会社へのトップセールス、旅行商品造成について継続を今、来年の冬に向けてツアーを造成していただくように、私どものほうで継続で協議しております。 今、6回申し上げましたけれども、それぞれ行った折、その後につきましても、コンタクトをとった先には、私どもの事務方等のほうでフォローアップをしっかりして、もっと成果が出るような努力はさせていただいております。 ○議長(水門義昭君) 西田企画管理部長。   〔企画管理部長西田純一君登壇〕 ◎企画管理部長(西田純一君) 今、ブランド海外戦略部長のほうから国外のことについて答弁させていただきましたが、私のほうは、国内のほうを中心に答弁させていただきたいと思います。 市長の出張につきましては、国の省庁などへの要望や挨拶、また、誘客や地場産品の販路拡大のためのトップセールス、市が加入しておりますさまざまな団体の総会等への出席など、多岐にわたりますけれども、産業、環境、教育文化、福祉保健、基盤整備など、幅広い分野における市政進展のために不可欠であるというふうに認識しております。 数多く各地へ足を運び、活動したことによりまして、社会資本整備総合交付金を始めとする国や県の補助交付金の確保、国道41号宮峠トンネルの早期着工の実現を始めとする国や県が所管する道路整備の推進、外国人観光客の増加など、さまざまな面におきまして大きな成果を上げているというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 詳しく説明をしていただいたわけですけれども、先ほど言いましたように、大きくしてきたのがこれですけれども、これだけ7月は行っておられるわけですね。   〔資料を示す〕 6月28日、29、30とずっと続いております。さきのアメリカへ行かれた話がありましたけれども、それで、高山市の市長としては、市長決裁という大きな仕事が日常ふだんあると思います。お金についても確認するとか、いろいろあると思いますけれども、今までにも保育園の問題だとか、とりわけ火葬場の問題など、市民には大きな負担がかかってきました。職員もこの間減らされているというのが、状況ははっきりしています。そういう上で、市の運営には支障がないのか、市長の見解を聞かせていただきたいと考えますが。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 議会として市長が出張するなとおっしゃるなら、ずっと席におるつもりでおりますが、まず申し上げておきますけれども、私の出張によりまして支障が生じているというようなことはございませんと申し上げたい。 なお、市政全般でございますけれども、私1人が行うものではございません。副市長以下、全ての職員がそれぞれの職務を全うすることで成り立っております。 さらに、私は、国内出張の約半分を占めております日帰り出張時でも、午後から出張したりとか、あるいは出張から戻ってまいりましたときにはできる限り市役所に戻りまして、決裁させていただいているところでございます。決裁事務を含めまして、私自身が高山市内で実施しなければならない業務は支障なく行っております。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 市長が今、直接そういうふうに答弁されましたので、私たちも出張してはだめということは少しも言うつもりはないですし、ただ、市民の暮らしとの中でどうなのかということで、本当に市長というのは、この高山市をつかさどっておる代表として、住民の9万何がしの人数の人たちの生活がかかっているわけですから、その辺のところで、本当に今、暮らしも営業も大変になっています。その状況もきちんと見てほしいというのが市民の要望ですので、その辺の兼ね合いとあわせて皆さんが納得できる出張にしていただきたいというふうに考えています。その辺のところは、市長の見解も聞かせてください。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 私から申し上げるのは僣越かもしれませんが、私は、できる限り皆さんのところに顔を出す、積極的にいろんな会合だとかいろんな場に顔を出させていただきますし、朝から夜まで市民の方々と触れ合っておるつもりです。先ほどの表ですと、ほとんど1日中おらんように書いてありますけど、そんなことはないので、出張した後、夜また会合に出たりとか、そういうこともずっとやっているので、その辺の時間帯とかも調べてお知らせいただかないと市民の皆さんは誤解されてしまいます。私は、自分のために行っておるということの出張は何もありません。先ほど企画管理部長が申し上げましたように、地域に役立たれるために行かなければならない出張に出させていただいておりますので、そのことは理解していただきたい。 ○議長(水門義昭君) 上嶋議員。 ◆13番(上嶋希代子君) 市長の思いはよくわかります。それで、先ほどもお話ししたように、市民の立場もきちんと訪問したりしてつかんでみえるという先ほどのお話ですので、その辺のところは合意ができるように、今後とも市民からの批判がないような出張に。 先ほどグラフにしたのは、私は、時間が情報公開の中にありませんでしたので、日にちだけで押さえましたので、あしからず。そういうことで、ぜひ市長の立場もきちんと、住民の立場も考えて出張に当たっていただきたいというふうに要望して終わります。どうもありがとうございました。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、上嶋議員の質問を終わります。  ================ △閉議散会 ○議長(水門義昭君) 以上で本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、13日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ、散会します。     午後4時24分散会―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  水門義昭               副議長 倉田博之               議員  山腰恵一               議員  溝端甚一郎...